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45年シカゴに生まれたテリー・キャリアーは、地味ながらもクオリティの高い作品群をコンスタントに発表してきた、名シンガー・ソングライター/ギタリストである。近年はフリー・ソウル脈絡で名が挙がることが多く、過去作にしてもずいぶんと入手しやすくなった。
60年代から地道な活動を続けてきた彼だが、同郷の雄カーティス・メイフィールドとも親交が深く、フォーク/R&B/ジャズといったマテリアルを洗練されたソウル・フィールドに昇華させる手腕はカーティスと近い感触がある。大きなヒット作には恵まれなかったが、とりあえず70年代後半の代表曲「オーディナリー・ジョー」をひと度聴けば、朴訥としながらも心の深いところをワシ掴みする歌声に、誰もが惚れ込んでしまうハズ。また、アコースティック・ギターが放つ音色の枯れ具合もタマラナイ。そこはかとなく高倉健バリの“不器用な男”を連想させ、コレが実にグッとくるのだ。
80年代に入ってからは音楽界を離れコンピュータ・プログラマーをしていた時期もあるそうだが、90年代に華開いたUKアシッド・ジャズ/レア・グルーヴ・シーンで人気が再燃。ついにはジャイルズ・ピーターソン率いる<TALKIN' LOUD>からアルバム『タイム・ピース』(98年)をリリースし、シーンの第一線に復帰した。ポール・ウェラーやベス・オートンなど彼をリスペクトするアーティストは数多く、そのオートンはアルバム『ライフ・タイム』(01年)にもゲスト参加している。なんとも絶倫シンガーなのですよ、テリー・キャリアーは。

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