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敏速なドラムンベースのリズムとタブラ・バヤ（２対の太鼓から成る）のような超絶技巧を要する楽器のあいだを行き来することには、実は思いのほか共通項があるのかもしれない。——だがそれらをうまく融合し成功させるには、絶妙な環境と優れたプレイヤー、斬新なアイデアが必要不可欠であろう。
世界最高のタブラ奏者であるザキール・フセイン（映画俳優としても活躍）とドラムンベース・フュージョンの先駆者タルヴィン・シンという２つの才能。その２人をかのビル・ラズウェルが指導する——という素晴らしい顔合わせ。これ以上に完璧なセッティングが他にあるだろうか。
フセインの神がかりな演奏（ハイブリッド・ドラム・キット／タブラ・バヤ）もさることながら、トリロク・グルトゥやN.Y.出身のドラマー、カーシュ・ケイトのサポートが加わることで、まるで夢のような共演が実現した。めくるめくリズムが溶け合ってひとつの強烈なグルーヴが生まれ、神経細胞を通り抜けるようなサウンドが完成。さらに贅沢なことにサーランギのマスターであるスルタン・カーンもゲスト出演し、ぞくぞくするようなエキゾチックな音色がシンセサイザーのうねりの合間に響きわたるのだ。——これぞ聴き手をとことん酩酊させてくれる最高傑作！