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スクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンは、ジャズ/フュージョンからアシッド・ハウス/ブレイク・ビーツまでを踏襲した前代未聞のドリルン・ベースを放ち、クラブ・ミュージック界に衝撃を与えた。
12歳の頃からベースを弾き、スタンリー・クラーク、ウェザー・リポート、チック・コリアといった70'sジャズを聴いて育った彼だが、LFOを聴いたことにより突然エレクトロニック・ミュージックに開眼。ベースとチープな機材を用いての作曲活動を開始する。そして、96年にリチャード・D・ジェイムスらが主宰する<Rephlex>レーベルから『Feed Me Weird Things』をリリースし、才能が一気に爆発。傍若無人に鳴り響くアシッド・ベースが鮮烈な覚醒作用を引き起こし、緻密で超高速なケミカル・ビーツが全身の運動神経細胞を刺激する。さらに、ジャコ・パストリアスばりに爪弾かれるフレットレス・ベースの波動が我々を精神の最深部にまでダイブさせるのだ。
——99年の『Music Is Rotted One Note』からは突如スタイルを一変させ、打ち込みを一切導入しない実験的なフリー・ジャズを繰り広げている。