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キューバ音楽界の伝説のひとり——ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのピアノ・スターであるルベーン・ゴンザレスは、1919年にキューバのサンタ・クララに生まれた。子供時代から医者を目指していたが、音楽的才能にも恵まれ、15歳の時に音楽院を最高得点で卒業。ついに1941年にはハバナへ移り、音楽一筋の活動を開始する。
ほどなくルベーンは多くの一流オーケストラと共演を開始し、アルセニオ・ロドリゲスのコンフントに参加——終生の手本となるミュージシャン、アルセニオと活動を共にすることになる。60年代に入って、チャチャチャの創始者とされるエンリケ・ホリンのバンドのピアニストになり、25年間という長きにわたって演奏を続け、ホリンが亡くなって間もなく引退の道を選んだ。
彼を再び音楽の表舞台へと引っ張りあげたのが、1996年に行われたアフロ・キューバン・オールスターズとブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの録音だった。彼は自分のピアノが虫に食われてしまったために、時々スタジオに立ち寄ってはピアノを弾いていたという。かつてのタッチとテクニックを徐々に取り戻し、指の間から音楽が奔流のように流れ出したルベーンを、ライ・クーダーは「私がこれまでの生涯の中で聴いたもっとも偉大なピアニスト」と形容。こうしてルベーンのソロ・デビュー・アルバム『イントロデューシング…』の録音はわずか2日間で行われたのである。
その後もルベーンのピアノ演奏は、BVSCのその他のアルバム——イブライム・フェレールとオマーラ・ポルトゥオンドのソロ——でも重要な役割を果たし、世界各地を公演しながら多くの聴衆を魅了した。
00年には83歳を迎えて2ndアルバム『チャンチュジョ』をリリース。さらにエネルギッシュで生気に満ちた演奏を聴かせた。成功はルベーンをさらに若返らせ、彼は未だツアーにこそ最高の幸福を感じ、生涯にわたって一日も欠かさずピアノを演奏することを望んでいる。

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