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ジョナサン・リッチマンのような飄々とした佇まいと、エルヴィス・コステロに通ずる軽妙なポップ・センスを併せもつロビー・ファルクス。そのエキセントリックな感性は、彼の立ち位置を非常に曖昧なものにしている。
1stアルバム『Country Love Songs』(96年)では、インディーズ大明神、スティーヴ・アルビニをプロデュースに迎えるという普通のシンガー・ソングライターでは考えられない人選をし、フィドルやペダル・スティールをフィーチャーしたカントリー/ロカビリー/ホンキートンクをパンキッシュにアレンジ。——ジャケット写真(玄関で夫が妻に向かって斧を振り上げ、ファルクスが家の裏で頭を抱えている)に象徴されるような、ブラック・ユーモアというメスでアメリカのダーク・サイドをえぐりだした。かと思えば、3rdにしてメジャー・デビュー作『Let's Kill Saturday Night』では、パワーポップ寄りのサウンドを聴かせ、屈折味を残しながら彼本来の持ち味であるキャッチーさを全面展開している。
オルタナ・カントリーという文脈で語られることの多いファルクスだが、その存在感は、とても1つのジャンルの枠では収まりきらない。その後インディーズ落ちしたようだが、何をしでかすかわからないこの男の動向に、今後も要注目だ。

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