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現在のヘヴィ・ミュージック全盛のシーンの流れを決定づけた功労者のひとりであるロブ・ゾンビは、ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンではつとに知られていたカルト・バンド、ホワイト・ゾンビからそのキャリアをスタートさせている。
女性ベーシスト、ショーン・イスールトとロブが、ニューヨークの老舗クラブCBGB'Sで出会ったことをきっかけに、85年9月にホワイト・ゾンビは結成されている。87年に自主レーベルから1stアルバム『SOUL CRUSHER』が発表されるころには、すでにニューヨークのクラブ・シーンではちょっとした顔になっていた。88年、ヴァージン傘下の<キャロライン>と契約し、『SOUL CRUSHER』を再発。これをきっかけに、ホワイト・ゾンビの名は世界中のアンダーグラウンド・ミュージック愛好者に知られることになる。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに始まり、テレヴィジョンやパティ・スミス、トーキング・ヘッズらのパンク組、「ノー・ニューヨーク」一派、さらにソニック・ユースやスワンズらに受け継がれるニューヨーク・アンダーグラウンドの系譜——都会的な洗練と知性、ある種の文学性やアート性をまとったそれらの流れとは、ホワイト・ゾンビの荒々しく凶暴なヘヴィ・サイケデリック・ロックは、明らかに異質だったと言える。ホラー映画趣味満載のライヴやヴィジュアル・ワーク、粗暴なジャンキー/バイカーそのものの容姿もあいまって、当時先鋭的なエレクトロニク・ノイズ・ミュージックからインダストリアル・ハード・ロック的な方向性に大きく転換していたシカゴのミニストリーとともに、たとえばマリリン・マンソンらの登場を促す大きなきっかけとなったことは間違いない。
ホワイト・ゾンビは92年にメジャー移籍するものの99年に解散、ロブ・ゾンビはソロとしてこれまでに3枚のアルバムを発表しているが、初期のドロドロとした奇形じみたサイケデリック風味は後退し、限りなく無個性なハード・ロックに近づいてしまっているように思える。それは彼らのもたらした影響が、ごく当たり前のものとしてアメリカのシーンに広まっていったから、とも言えるかもしれない。 (小野島 大)

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