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彼の「ドナ・リー」を聴こう——超速です。彼の「ポルカ・ドッツ・アンド・ムーン・ビームス」を聴こう——泣けます。どんなテンポの曲でも吹きこなす否応ナシの超絶技巧と、いやらしい謳い方でフレーズの吹き終わりを締めくくるセンス。フィル・ウッズ(as)とそっくりなアルト・サックス・プレイヤーの登場だ。
代表作の『アルト・マッドネス』(77年)と『ハリウッド・マッドネス』(79年)で、センセーショナルにジャズ・シーンに登場。きらびやかな音色を携えてスターの如く輝いた。彼は珍しくも70年代に登場したチャーリー・パーカーそっくりさん(50、60年代はたくさんいた)なのである。だが、70年代後半から80年代前半まで異常なまでの人気を誇ったリッチー・コールは、そのテクニックを誇張するようなエンターテイナーぶりがジャズ・ファンに敬遠されたのか、その人気の低下の仕方も異常だった。俗に言う“一発屋”的な存在になってしまったのだ。
しかし、ここでひとつ、見直すべきかも知れない。最近ではその性急なまでのプレイは薄れ、元々持ち合わせていた歌心を中心に落ちついた演奏を聴かせてくれる。チョット、落ち着きを取り戻したアルト・マッドネスにこれから注目しよう。

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