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50年代半ばから60年代中期にかけては、オルガン・ジャズの黄金期である。とにかく、この楽器から飛び散るダイナミックなサウンドと弾けるノリは、理屈抜きで楽しい。
56年にジミー・スミスの初アルバム『A NEW SOUND-A NEW STAR』が世に出て、オルガンにようやくスポットが当たるようになった。それまでは教会(ゴスペル)で使用されたり、ファッツ・ウォーラーやカウント・ベイシー、ソニー・クラークらのピアノと持ち替えの手なぐさみ程度の録音でしか聴くことができなかったのだ。
<ブルーノート>レーベルにはジミー・スミスを筆頭として、"ビッグ"ジョン・パットンやジャック・マクダフ、そしてロニー・スミス、ラリー・ヤングなど華やかな顔ぶれのオルガニストたちが鎮座している。リューベン・ウィルソンもその1人だ。5枚のアルバムを同レーベルに残しており、他の"役者"に比べるとやや地味な存在だが、かなりポップ度の高い作品も目につく。代表作は『BLUE MODE』。かなりモーダルな感じの内容で、ヒップだ。<ブルーノート>でのラスト・レコーディングは71年の『SET US FREE』で、名手ジェローム・リチャードソン(ts)、リチャード・デイヴィス(b)ら、かなりのツワモノが顔をのぞかせている。
ウィルソンは35年、オクラホマ州マウンズ生まれ。カリフォルニア州のパサデナで育つ。同郷にボビー・ハッチャーソン(ヴィブラフォン)がいる。17歳でプロ入りし、ロサンゼルスにてギター、ドラムとオルガン・トリオを組んで活動開始。66年ニューヨークへ進出し、68〜71年まで<ブルーノート>と契約を結ぶ。その後はファンク色も増し、<カデット><ブルース・マーチャント>にアルバムが多い。彼のスタイルはジミー・スミスの影響を感じさせるものであり、聴き手を軽快にノセる技は巧みだ。 (山本晋平)

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