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ドラムン・べース界の2大巨頭、LTJブケムとゴールディに才能を認められたフォーテックは、90年代後半のUKドラムン・ベース界において最もユニークなサウンドを生み出した。
幼少期からテクノ/ヒップホップ/フリー・ジャズ/フュージョンなどに親しみ、サンプラーを購入したことをきっかけに作曲活動を開始する。その後、さまざまな名義を使い分け、数多くの作品を発表。黒澤映画と日本の武術をこよなく愛する彼は、『七人の侍』をモチーフとした「The Seven Samurai」(95年)、「二天一流」(97年)など、“侘びと寂び”の効いたストイックかつトリッキーなブレイク・ビーツを築き上げた。それは、フォーテックにしか創造し得ない研ぎ澄まされた精神世界である。
00年には、3年ぶりとなる待望の4th『ソラリス』をリリース。しかし、収録された楽曲のなかで、純粋なドラムン・べースと呼べるものは1曲のみであった。ここでは、ハウス界の大御所ロバート・オウエンスをヴォーカルにフィーチャーした、ディープで繊細なハウスを披露。——今ではドラムン・ベースの枠に収まることのないサウンドを自由奔放に描き出している。

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