内田光子の記事・ニュース・画像一覧

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世界的ピアニスト、内田光子。彼女を「日本のピアニスト」と呼ぶことには少し抵抗がある。なぜなら彼女は1948年熱海に生まれるが、外交官の父と共に61年からウィーンに移り住み、当地で研鑽を積んでいる。それが彼女を、独自性の主張を重視する「西洋音楽」の演奏家へと育てることとなったからだ。模倣と規則を重視する日本の教育では現在の彼女の演奏はありえなかっただろう。だが、欧米のピアニストとも異なる——。それは彼女の日本的な、精度に対する誠実さと執着心。楽譜の読み込みの深さや正確さは、ほかの日本人ピアニストと共通する。そこにヨーロッパ的な教養と感性が融合し、彼女のスタイルが完成されたのだ。
70年のショパン国際コンクール第2位、75年のリーズ国際コンクール第2位で注目され、国際的に活動。82年にロンドンで行なったモーツァルトのピアノ・ソナタ全曲演奏会が、空前の大成功を収め、国際的評価を獲得し、現在に至る。居を構えるロンドンを中心とした演奏活動や、CDのリリースにより、着実に大家への道を躍進している。

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