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ミシェル・ルグランを"ジャズ畑のヒト"でひとくくりにしてしまうのは、いささか無理がある。同じ扱いをされる、アンドレ・プレヴィン/フリードリッヒ・グルダ/ジャック・ルーシェ/オイゲン・キケロなど、クラシックとジャズを自由に行き来する"二毛作"型アーティスト群に該当するからだ。——このような表現は、それだけ幅の広い、豊かな楽想とセンスをもち合わせているという賛辞の意味である。ルグランの音楽をひとくちに言うと、リリカルでオシャレ。やはりフランスというお国柄も大いに関係しているのだろう。
32年、フランスはパリ生まれ。父はクラシック指揮者のレイモン・ルグラン、姉はスイングル・シンガーズ(ダバダバ・コーラス)の歌手であるクリスチャン・ルグランという恵まれた音楽環境に育った彼は、11歳〜20歳までの間パリの音楽院で学ぶ一方、歌手の伴奏者としてデビュー。52年にはジャズ・トランペッター、ディジー・ガレスピーの楽団の編曲を手がけるほか、活動分野は映画/テレビ/ラジオなどの広範囲に及んだ。そして58年、マイルス・デイヴィス/ジョン・コルトレーン/ビル・エヴァンスらビッグ・アーティストを招き、ビッグ・バンド『ルグラン・ジャズ』を吹き込み、ジャズ/ポップス界の双方から大きな注目を浴びた。この作品はルグランの代表作でもある。
その後、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の仏映画『シェルブールの雨傘』(64年)での叙情に満ちた音楽で大成功をおさめ、作・編曲家として確固たる地位を築く。もう1作、『ロシュフォールの恋人たち』の音楽を手がけたことも挙げておこう。また、68年にアメリカでライヴ録音したピアノ・トリオ『Michel Legrand At Shelly's Manne-Hole』は、ルグランのピアニストとしてのユーモア性と、ハイレベルな音楽的センスをよく捉えている好盤だ。
72年以降は、来日公演も行っている。 (山本晋平)

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