Mad Professorの記事・ニュース・画像一覧

ヘビーなルーツ・レゲエに最新コンピュータを自在に操り、キーボード・ベースのリミックスをかぶせるマッド・プロフェッサーの音楽は、ともにコラボレーションもする師匠リー「スクラッチ」ペリーの延長線上にあるといえよう。ラヴァーズ・ロックとディープなダブを同時にこなし、レゲエの基本であるベーシックな生楽器の音を取り込み、さらに革新的なサウンドを加える。彼の曲では、エレクトリカルなシンセ音とアコースティックの楽器とが意のままに入れ替わり立ち替わり、フェイドアウトにエコー、要は何でもありの音たちが入っては消えていく。エレクトリックに加工された音の洪水で気分はもうトリップ寸前だ。アルバム『ダブ・ミー・クレイジー』はまさに傑作と呼ぶにふさわしく、ユー・ロイらとのコラボレーションは、ダブの黄金期の再来を感じさせてくれる。マッシヴ・アタック、オーヴらとのコラボレーションにより、マッド・プロフェッサーの影響力はトリップ・ホップやアンビエントなどジャンルの枠を越えて絶大なものとなっている。