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戦前ブルースの、いや、ブルース史全体における最重要人物であるシンガー/ピアノ奏者。彼が登場するまで主流であったカントリー・ブルースとは一線を画す洗練されたブルースは、ロバート・ジョンソンを始めとする数多くのフォロワーを生んだ。
生まれはテネシー州のナッシュヴィル。幼い頃よりさまざまな職業を転々とし、一時は密造酒作りに手を染め、囚人農場に入れられたりもした。そんなカーがピアニストとして本格的に活動し始めるのが20年代後半。スクラッパー・ブラックウェルという卓越したギタリストとコンビを組むことで道が開けた。2人による28年の初吹き込み「How Long How Long Blues」は大ヒットを記録。以降、破竹の勢いで録音を行い、数々の名作を世に送り出した。後のロックンロールにまで連綿と続くことになるカーの左手が生み出すステディなビートとメランコリックな歌、そしてブラックウェルの軽妙洒脱なギターが絡み合ったモダンなブルースは大きな評判を呼ぶ。
しかし無類の酒好きがたたり、35年に30歳の若さでこの世を去った。死因は肝硬変。

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