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70年生まれ、アフリカはナイジェリアの首都ラゴス出身。ヨルバ族の族長にして資産家の父親を持ち、なにひとつ不自由のない暮らしを送ってきた彼は、8歳の時にロンドンのパブリック・スクールへ送り込まれた。もちろんそれは将来母国の経済を担うエリート・コースへの道だったワケだが、ピアノとの邂逅をきっかけに学校をドロップ・アウト。ロンドンやパリの路上で演奏に明け暮れるバスキング生活を経て、自らの音楽をブルースとファンクの合成語である“ブルーファンク”と命名したアルバム『ブルーファンク・イズ・ア・ファクト!』で92年にデビューを果たした。続いて行われた同年の来日公演ともども、強烈なインパクトを残す結果に。
叩きつけるようにして弾かれる独創的でパーカッシヴなギター・プレイにおいて、ギター小僧どもの度肝を抜きつつも、けしてテクニック至上主義には陥らず、しなやかにして強靭なグルーヴを創作する。そこに乗るのは、軽快なリズムを内包する繊細なメロディ、そして歌声。彼の音楽の魅力が「現住所は旅先」と言わんばかりの、どこにも属さない洗練されたコスモポリタン/ジプシーっぷりと、それゆえに強く意識されるアフリカへの憧憬という、相矛盾する感覚からきているのは間違いない。
その後も、トレードマークの粋な山高帽や、詩的な感性に富んだ歌詞からも汲み取れる知性、ライヴ・パフォーマンスにおけるワイルド性を武器にして、アフリカのルーツに根ざしながらも、欧米のロックやブラック・ミュージックをもふんだんに取り込んだ独自の音楽を創り続けている。03年にはマルセル・カミュ監督の映画『黒いオルフェ』(58年)にインスパイアされた、久々の新作となる4作目『ブラック・オルフェウス』も発表した。

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