Jaye P. Morganの記事一覧

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昨今のAORブームによってか、「デイヴィッド・フォスターのプロデュース!」というクレジットを探し求めてエサ箱を漁る人が急増しているらしい。なかでもジェイ・P.モーガンの『ジェイ・P.モーガン』(77年)は、重度のフォスター中毒患者が血眼になって探しまくったブツのひとつだ。
このジェイ・P.モーガンという人、もともとは生粋のジャズ・シンガーであり、50年代よりスタンダードを歌い続けてきたヴェテラン・シンガーである。それがなにかの拍子で若き日のフォスターとアルバムを制作するハメに。そのフォスターを筆頭に、ジェイ・グレイドン(g)/レイ・パーカーJr.(g)/リー・リトナー(g)/ハーヴィー・メイソン(dr)といったL.A.のスタジオ・ミュージシャンズや、デイヴィッド・ハンゲイト(b)とジェフ・ポーカロ(dr)からなるトト勢、そしてケニー・ロギンズ/ビル・チャップリン/タワー・オブ・パワー・ホーン・セクションなど、クラクラと目眩のするような豪勢なメンツがバック・アップ。洗練されたなかにR&B感覚がキラリと光るブルー・アイド・ソウル好盤に仕上がった。スティーヴィー・ワンダーを始めとするソウル/R&B曲のカヴァが約半数を占めるが、白眉はアヴェレイジ・ホワイト・バンドのカヴァー・ナンバー「キーピン・イット・トゥ・マイセルフ」である。原曲の<HI>風アレンジを大幅に改編し、アーバン・ムード溢れるシティ・ソウルに昇華して見せた。——スタンダードを歌うジェイ・P.モーガン、そしてソウルフルな歌唱を見せるジェイ・P.モーガン、聴き比べるのも面白いかもしれない。

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