Green Dayの記事一覧

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3コードによるメロディアスかつキャッチーな曲、歌詞は下品な社会風刺——70年代に勃発したパンク・シーンの精神を継承しながら、それをよりポップにアレンジし、多くのキッズを魅了してやまないグリーン・デイ。94年にリリースした3rdアルバム『ドゥーキー』収録の「バスケット・ケース」の爆発的人気は、本国アメリカのみならず、ここ日本にも飛び火し、メロコア・シーン大好況の一因となったといっても過言ではない。
幼馴染みであったビリー・ジョー・アームストロング(vo&g)、マイク・ダーント(b&cho)が中心となり始めたスウィート・チルドレンを母体とし(なんと当時14歳!)、89年に改名。1stアルバム『1039/スムーズド・アウト・スラッピー・アワーズ』(91年)リリース直後、トレ・クール(dr)が加入し、最強最悪(?)のメンツが揃う。
意固地なまでにポップかつファニーなスタイルを貫き通す彼ら——ニルヴァーナ亡き後、暗く沈んだUSオルタナティヴ・シーンで、そのあからさまな直球ポップ・パンクが大いにもてはやされたことは必然だったのかもしれない。しかし、耳の肥えたリスナーから、無遠慮に毛嫌いされているのもまた事実だ(94年のウッドストックで観客と泥の投げ合いになったのがいい例)。
00年、6枚目となるアルバム『ウォーニング』を発表。ビリー・ジョーの愛嬌ある歌声はいまだ健在であるし、テクニカルな演奏は前にもまして熟達した印象を受ける。
しかし、04年発表の『アメリカン・イディオット』で、彼らに付きまとっていた“能天気なパンク”というイメージに変化が起こる。本作はアルバム全編を通して、メッセージ色の強いストーリーが展開されたコンセプチュアルな作品となっている。この“パンク・オペラ”とでも言うべき傑作は第47回グラミー賞で“ベスト・ロック・アルバム”を受賞。そして、なんと翌年にはアルバムからのシングル「ブールバード・オブ・ブロークン・ドリームス」が“レコード・オブ・ジ・イヤー”を受賞するという快挙を成し遂げた。
しかし、だからといって彼らがキッズの手が届かない存在になってしまったかといえば、勿論そんなことはない。疾走感溢れる痛快なナンバーはいまでも健在。まさに世界最大のパンク・バンドと言っていいだろう。