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ブラーがブリット・ポップの幻影を拭い去り、97年のアルバム『ブラー』で起死回生を図れたのは、この人によるところが大きいのではないかと思う。グレアム・コクソン——黒ブチメガネの似合うブリティッシュ・マンだ。
89年からブラー(当時はセイモア)のギタリストとして酸いも甘いも味わい尽くした彼は、メガネの向こうの虚ろな瞳で何を思っていたのだろうか。『グレイト・エスケープ』(95年)をリリースしたあと、機能不全に陥ったバンドを救ったグレアムのUSインディ・ロック嗜好。それが如実に顕れた「ソング2」の全世界ヒット。UK大ポップイズムからオルタナ・ロックへの移行は、やはりこの男がいなければ成されなかったことなのである(もちろん他のメンバーの類稀なミュージシャンシップによるところもあるが)。
そんな彼が、98年に初のソロ・アルバム『ザ・スカイ・イズ・トゥ・ハイ』をリリース。ハードコア・パンク/ローファイ/ガレージ/アシッド・フォーク——そういった趣味丸出しのソングスは、儚げな歌声と直球ギター・サウンドが絶妙に織り成す、まさにオルタナティヴな世界を繰り広げたのである。00年には2nd『ザ・ゴールデン・D』を発表。これまた東海岸パンクの影響を色濃く感じさせる好作となった。
"落ち着き"を手に入れたブラーと共にグレアム自身の活躍は、UKシーンの孤高の存在として輝きつづけることだろう。

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