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ダフト・パンクを筆頭に、メディアに素顔を明かさないアーティストが増えた気がする。そういうシャイネスの裏には「オレらの音楽はサイコーだから、顔なんか見なくてもいいべ」とでも言うべき“自信”が見え隠れ。その精神はある意味パンクだ。
ヴァーチャル・グループ、ゴリラズも素顔を明かさないヒップホップ・ユニットである。なんといってもメンバーは、マードック(b)/2D(vo&key)/ヌードル(g)/ラッセル(dr)という4体のアニメ・キャラクター。コミック『タンク・ガール』で有名なジェイミー・ヒューレットがデザインを担当する、ファニーかつキュートなカートゥーンたちなのである。そして、ゲスト・ミュージシャンという体裁で、ブラーのデーモン・アルバーン、チボ・マットの羽鳥美保、ドクター・オクタゴンでも知られるダン・ジ・オートメイターらが参加……う〜ん、なんともカオティック。
そんな彼らが発表したデビュー・アルバム『ゴリラズ』。そのプロダクションの大半は、デーモンとオートメイターが担っている。ダルダルで人を食ったようなメロディはデーモンの真骨頂だし、オートメイターによる腰を砕くようなビートは圧巻のひと言だ。さらにトム・トム・クラブのティナ・ウェイマス、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でも有名なイブライム・フェレール、西アンダーグラウンド・ヒップホップの“創造性”デル・ザ・ファンキー・ホモサピエンらも参加という豪華絢爛さ。さらにアルバムに本格的オルタナティヴ性を盛り込んだ結果か、このアルバムは世界規模でモンスター・ヒットを記録。音楽シーンにセンセーションを巻き起こすことになった。
——だが、ゴリラズの伝説がこれで終わったわけではない。
05年、彼らは2nd『ディーモン・デイズ』を発表。前作のオートメイターに代わりそのプロダクションの一翼を担ったのは、異端のトラック・メイカー、DJデンジャー・マウス。その斬新なトラック群もエクセレントだが、フィーチャリング・ゲストも素晴らしい。デ・ラ・ソウルを始め、ルーツ・マヌーヴァ、MF・ドゥーム、ファーサイドのブーティー・ブラウン、ネネ・チェリー、マルティナ・トップリー・バード、デニス・ホッパー(!)ら、多士済々な顔ぶれが用意されているのだ。よりヒップホップ色が濃厚になったとも言えるだろう。
ブワッと、ゴリラズの新たな伝説の幕が上ったのだ。

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