Ginger Bakerの記事・ニュース・画像一覧

クリームのドラマーと知られ、解散直後の70年代初期からアフロ・ビートの追求〜今で言うところのワールド・ミュージック的展開に熱心だった彼は、39年ロンドン生まれ。本名はピーター・ベイカーで、"ジンジャー"は彼の髪が赤茶けていたことからくるニックネームだ。
音楽活動は50年代のジャズ・バンドからスタート。そして60年代のロック・レヴォリューション時代に、ロックとジャズの融合をいち早く実践〜成功させたグループ、クリームの一員として世界的な成功を収める。形式的なスネア・ビートから離れたフリーキーなドラム・スタイルは高い評価を得るが、いたずらに長いドラム・ソロを延々展開するなど、賛否両論激しい人ではあった。
果たして、メンバー間のエゴ衝突が激しく、クリームは２年余りで解散。70年代前半は、自らがリーダーシップを取るジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースを結成。ジャズ的ビッグ・バンドの形式を取りつつ、メンバーも流動的ながら多くのアフリカ人を起用し、アフロ・ビートを多用した新しいロック・ミュージックを創造した（イギリス側からは、スティーヴ・ウィンウッドやデニー・レインらも参加）。
70年代後半からは、改めてシンプルなロック・サウンドに回帰。ベイカー・ガービッツ・アーミーでは、プリミティヴなロックを聴かせる。初のソロ名義アルバム『イレヴン・サイズ・オヴ・ベイカー』を発表したのもこの頃だ。その後も、ゲイリー・ムーア、そしてクリーム時代の盟友ジャック・ブルースとBBMを結成し、音楽活動を継続。——近年は、ロックンロール・ホール・オヴ・フェイムのステージで、25 年ぶりにクリームとして演奏した。（小池清彦）