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JIS(品質保証)マークをつけてあげたいほど、普遍的にクオリティの高いトラック・メイク手腕を見せるDJプレミア。N.Y.のラップ・デュオ=ギャング・スターの片割れでもある彼は、作品を発表するごとに他のヒップホップ・プロデューサーたちを唸らせ、そして嫉妬させる。それほどまでに、プレミアは創造性に富んだクールなトラックを生み出しているのだ。
ヒューストンでコンピュータ・サイエンスを学んだプレミア(当時はワックスマスター・Cを名乗っていた)は、地元のブルックリンに戻り、グールーとギャング・スターを結成(正しくはギャング・スターに加わった)——DJプレミアの伝説が始まったのである。
プレミアのサウンドのキモは、ソウル/ジャズなどから選んだサンプルを加工する——例えばドラムの音を抜き出し、コンプをかける——ことで仕上げられる、鼓膜を突き破るようなファットなビート。さらにネタを判別不能なまでに細かくチョップし、緻密に組み替えることでファンク・テイスト溢れる躍動感を持ったサウンドを創造していく。また、声のフレーズを多用した力強いスクラッチは、ラッパーのかけ合いのごとくタイトにチェンジし、楽曲のタイトル・フレーズを挿入してトラックを効果的に盛り上げていく。それらの特徴のすべてが結合し、楽曲から生み出されるバウンシーなグルーヴは、聴き手を瞬時に興奮のるつぼへと誘うのである。とにかく、DJ感覚をフルに活かした完全フロア志向な楽曲作り、プレミアは最初っからそれが狙いなわけだ。
オール・タイム・フェイヴァリットなプロデューサーとして、常に上位にランクインするほど根強い人気を誇るDJプレミア。彼はマーリー・マールやドクター・ドレーなどと同様、ヒップホップ・シーンのパイオニアであり、現役の“リヴィング・レジェンド”なのである。あとは、オリジナル・フル・アルバムさえ出してくれればパーフェクトなのだが……。

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