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自身の存在をヒップホップだと言い切ってしまう“ブラスト・マスター”にして実際にも教鞭に立つヒップホップ界のティーチャー、KRS・ワン。シーンの中核を陣取っていたブギー・ダウン・プロダクションズでの活動を経て、93年に初ソロ作『リターン・オブ・ザ・ブーム・バップ』をリリースした。
そんな彼が描き出すリリックは自らの不遇な人生が大きく影響している。ろくに教育を受けられなかった少年時代/恩人にして元相方スコット・ラ・ロックの銃殺/ラップ・コンサートでの殺人事件などの体験もリリックに反映されている。このことから楽曲には教育の重要性が訴えられ“ストップ・ザ・ヴァイオレンス”という黒人社会に対する切実なテーマが掲げられた。そして「ラップとは……」という哲学的な事象までもアツく語る彼の姿は、黒人解放運動家の激しい演説を想起させる。さらに、彼のメッセージを後押しする骨太で荒々しいハードコアなトラックも、暴力に対するファイティング・ポーズを想起させるものだ。
96年には自身のレーベル<FRONT PAGE>を設立、また著書『ヒップホップ概論』の発刊や、シーンの育成/伝承/保護を謳ったテンプル・オブ・ヒップホップという団体の発足などという意欲的な活動を繰り広げている。その一方で、アーティストとしても04年の『キープ・ライト』まで、約8枚ものオリジナル・アルバムをコンスタントにリリースしている。

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