Citizen Copeの記事・ニュース・画像一覧

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N.Y.在住のマルチ・インストゥルメンタリスト/シンガー・ソングライターのシチズン・コープは、地元メンフィスで、スライ・ストーンやウィリー・ネルソン、アル・グリーン、ビル・ウィザースなどの音楽を熱心に吸収しながら育った。かつてはメンフィスで、ベースヘッドというヒップホップ・ユニットのメンバーとして活動していた彼だが、N.Y.への移住とともに、アコースティックで暖かくてグルーヴィなサウンド/歌声を生み出す現行のスタイルへと変貌する。N.Y.で地道なソロ活動を続けていくなかで知り合った伝説的ギタリスト=サンタナのフックアップを受け、彼の楽曲「サイドウェイズ」にフィーチャーされる。すると世のなかの注目がコープに集まり出し、結果、02年にはデビュー・アルバム『シチズン・コープ』を、その後の04年には2ndアルバム『クラレンス・グリーンウッド・レコーディングス』を発表するにまで至った。
この2ndアルバムで聴けるのは、悲哀感を滲ませるトラック群。もちろんアップ・ナンバー、ロック・ナンバーなども多様に豊富に用意されてあるが、全体を覆う空気感は、そういった感覚を強く聴き手の印象に残す。が、根底にあるのがアコースティックかつオーガニックなサウンドのためか、またコープの声やジェイムズ・ポイザーらの制作トラックに“ソウル”が宿っているためか、それらのサウンドは、気持ちのよい暖かみを柔らかく包み込んでいるように聴き受ける。10年後に聴いても褪色していないであろう、素晴らしく豊穣なアルバムだ。

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