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07年生まれの彼は生まれついてのニューヨーカー。日本でいえば江戸っ子みたいなもんだ。そんな都会ッ子のベニー・カーターは、75年以上もジャズ界の重鎮として活躍してきた、“生きるジャズ史”である。しかもアルトサックス/クラリネット/トランペット/ピアノ/トロンボーンなど11種類もの楽器を吹きこなすマルチ・プレイヤー。中でも特に、アルトの腕前は素晴らしく、ウィルソン・スミス、ジョーニー・ホッジスと共に“スウィング・ジャズにおける3大アルト奏者”として名を馳せている。明るく端整なトーンが特色で他の2人と比べるとヴィブラートがおとなしく(スウィング時代は派手なプレイヤーが多い)、次世代への橋わたしのような存在だった。スウィング・スタイルという基本的な演奏スタイルは生涯通じて変えていないが、その一貫性がまた、彼の魅力でもある。
楽器演奏だけでなく作・編曲者としての功績も大きい。20年代から40年代はバンド・リーダーやアレンジャーとしても活躍し、その後70年代までテレビ/映画音楽なども手がけていた。クインシー・ジョーンズのようなプロデューサー的役割を彼が先駆けて行っていたのだ。
そんな彼をデューク・エリントンは「彼がジャズに与えた影響はとてつもなく驚くべきものだ。天才的なミュージシャンとは、まさに彼のことだよ」と言っている。その天才は90歳を過ぎた現在でも江戸っ子爺さんの気質を発揮して(?)現役バリバリでがんばっている。

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