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「ルービンシュタインのピアノを聴く」ということを「ショパンを聴く」という意味にとらえる人は多い。ショパンが作品に込めた甘美さや悲痛さをあれほどにまで完璧に歌いきれるピアニストは、これからも彼以外にはなかなか見つからないだろう。しかし、彼はショパンのスペシャリストだったわけではなく、レパートリーはバッハに始まり、ドイツ・オーストリアの古典からロマン派、フランス近代、ロシア音楽やスペイン音楽にまで及ぶ。
即興的ともいえる彼の演奏はいつも新しい響きに満ち、作品の底に隠されたメロディを浮き立たせ、誰も気付かなかった作曲家の側面を見せる。時に華やか、時に憂愁……、確実なテクニックに裏打ちされた自在な音楽表現は、晩年も衰えることがなかったのだ。
1887年ポーランド生まれ。12歳でデビュー。1906年のニューヨーク・デビューの際に、聴衆には支持されたが批評家から批判が集まったため、4年間活動を停止し自己研鑽に努めた。その後名声は高まる一方となり、文字通り順風満帆の演奏生活を送る。76年に引退するまで80年にわたる長い演奏歴を、ヴィルトゥオーゾとして楽壇に君臨し続けた大ピアニスト。

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