Backstreet Boys、念願の東京公演に響いた美しいハーモニー ノンストップで歌い踊る怒涛のエンターテインメント空間に

Backstreet Boys、念願の東京公演レポ

 2月14日から16日の3日間、東京・有明アリーナでBackstreet Boysが、約4年ぶり(関東エリアでは約10年ぶり)となる来日公演を開催した。2023年4月に結成30周年を迎える彼ら。これまでに全世界で1億4000万枚以上のセールスを記録し、3度のドームツアーを含む計7度の来日公演を行うなど、日本でも四半世紀以上に渡って高い人気を得ている。メンバーはニック・カーター、ハウイー・D、AJ・マクリーン、ブライアン・リトレル 、ケヴィン・リチャードソンの5人。2006年にケヴィンが脱退するも、2012年に復帰。現在もオリジナルメンバーの5人で活動を継続している。

バックストリート・ボーイズのライブ写真

 今回の来日公演は、2019年にリリースしたオリジナルアルバム『DNA』を携えた『DNA WORLD TOUR』の一環として開催された。もともとは2019年10月に開催予定だったが、大型台風の影響によって、さいたまスーパーアリーナ2公演が中止に(大阪城ホールでの1公演のみ開催)。2020年以降はパンデミックによってツアー自体が止まっていたため、今回の東京公演はまさに満を持しての実現となった。

 オープニングはゴールドを基調としたド派手な映像。大量のスモークときらびやかなライトが飛び交う中5人が登場すると、会場から大歓声が巻き起こる。観客の中心は40代〜50代の女性(親子連れも多い)だが、若いオーディエンスの姿もかなり目立つ。最初の楽曲は、1stアルバム『Backstreet Boys』(1996年)の収録曲「I Wanna Be with You」。バンドやダンサーはおらず、ステージにはメンバー5人だけ。約30年に及ぶキャリアの中で生み出された代表曲からレアな名曲、そして、最新アルバム『DNA』の楽曲まで、Backstreet Boysの全貌が堪能できる構成だ。メンバーのソロパート(短めのMCと楽曲をワンコーラス歌う)を挟みながらシームレスで進行し、観客を全く飽きさせない。

 官能的なボーカルが堪能できる「New Love」(『DNA』収録曲)、ラテンのテイストが楽しい「Get Down (You're the One for Me)」(『Backstreet Boys』収録曲)を続けるなど、新旧のナンバーのつなぎ方もスムーズ。メンバーは全員40〜50代だが、お揃いの振付やゴージャスな佇まいは今も魅力的だ。ニックが観客に対して「Backstreet!」「Back!」というコール&レスポンスを要求するなど、オーディエンスと積極的にコミュニケーションを取る姿も心に残った。ずっと応援してくれてうれしい、この場を一緒に楽しみたいと何度も伝えていた英語のMCも聞き取りやすく、ライブ全体を通して“距離の近さ”がしっかり感じられた。

 その中心にあるのはやはり、メンバー5人の歌。とにかくボーカルのレベルが高く、歌だけで惹きつけられてしまう。そのことを実感したのは、ライブ中盤で披露された「Shape Of My Heart」「Drowning」という名曲バラード2連発。全員がメインボーカルを張れる実力を持ち、繊細で精緻なハーモニーよって楽曲に彩りを与える。このグループの音楽的な魅力を実感できる場面だった。

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