Homecomings、奥行きあるバンドサウンドで1年を締めくくる 東名阪クアトロツアー『US / アス』ファイナル公演レポ
毎年クリスマスシーズンにライブを行っているHomecomingsが、2022年も東名阪クアトロツアー『US / アス』ファイナルの東京公演を12月25日に開催。渋谷 CLUB QUATTROにて行われた本公演には、メンバーがそれぞれラジオで楽曲をかけるほど大好きだという、Laura day romanceをゲストに迎えた。
まず登場したのはLaura day romance。今回は井上花月（Vo）、礒本雄太（Dr）、川島健太朗（Gt/Vo）、鈴木迅（Gt）のメンバー4人に、3名のサポートメンバーを加えた7名体制のステージだ。鍵盤が加わったことにより音の彩りが増した「rendez-vous」を軽快に披露すると、「well well | ええと、うん」では一転しっとりしたムードに。井上と川島のツインボーカル曲「lookback&kick」では、観客が左右に体を揺らしながら演奏に身を委ねる様子も見られた。MCでは「（Homecomingsのことを）メンバー全員好きで」と語るほど、今日の共演を楽しみにしていたそう。後半は「waltz | ワルツ」「step alone | 孤独の足並み」など2ndアルバム『roman candles｜憧憬蝋燭』の収録曲を中心に披露し、ラストは「happyend」で会場を温かな雰囲気に包んでHomecomingsへとバトンを渡した。
迎えたHomecomingsのステージ。バックにはツアーのキービジュアルをデザインしたフラッグが掲げられ、アンプの上にはツアーグッズのパペットが飾られているなど、随所に遊び心も感じられる。ステージにメンバーが登場し、畳野彩加（Vo/Gt）のギターのストロークが響き渡ると、披露されたのは未発表の楽曲「ユーフォリア」。このタイミングで届けられた新曲は、まるで観客へ向けたHomecomingsからのプレゼントのようだ。
ここから立て続けに「Here」「Shadow Boxer」の2曲が演奏されたが、彼らがつくりだすサウンドの重厚感が印象的だった。私は今回「Shadow Boxer」を生演奏で初めて聴いたが、音源では浮遊感のある印象を抱いたのに対し、ライブではギター、ベース、ドラムの1音1音がより強くしなやかに鳴らされているように感じた。畳野の透き通った歌声に重なる福田穂那美（Ba/Cho）と石田成美（Dr/Cho）の繊細なコーラスも、楽曲の奥行きを深めている。また、メンバーはライブ中、お互いに顔を見合わせることはあっても、近くに行ってプレイすることはほぼない。それでも終始息のあったアンサンブルが成り立っているあたりに、メンバー同士の強い信頼や絆を感じられる。
年末年始にぴったりの「ANOTHER NEW YEAR」、福富優樹（Gt）の柔らかなギターの音色が心地よい「アルペジオ」の後、演奏されたのは「光の庭と魚の夢」。ちょうど1年前のクリスマスライブで初披露され、まだ音源化されていない楽曲だ。演奏前に福富が「自分たちを友達のような存在に思って欲しい」と語っていたのを表すように、優しく寄り添うようなサウンドが会場を包んでいた。
ここからラストの曲前までは、MCを挟まないノンストップのステージ。まずは前奏を長めにアレンジした「Blue Hour」が投下され、会場の熱気が徐々に高まっていく。アップテンポなナンバー「HURTS」では、石田が刻む力強いビートにあわせて序盤からクラップが沸き起こる。「Cakes」「LIGHTS」と続き、ラストは人気曲「Songbirds」で爽やかに本編を締めくくった。
