新鋭バンドが下北沢に集結 Organic Call、キャリア初サーキットフェス『東京日輪音楽祭』で繰り広げられた熱いステージ

Organic Call、サーキットフェスレポ

 11月19日、東京・下北沢にてOrganic Callキャリア初のサーキットフェス『東京日輪音楽祭』が開催された。場所は、Shangri-La、MOSAiC、RéG、SHELTERの4会場。主催のOrganic Callをはじめ、アメノイロ。、アルステイク、クジラ夜の街、35.7、シンガーズハイ、Bye-Bye-Handの方程式、プッシュプルポット、ペルシカリア、ルサンチマン、KAKASHI、the quiet room、ofulover、ミイ、Arakezuri、メメタァ、バイリンジボーイ、UtaKata、 Absolute area、OCEANS、ニアフレンズ、kao、アルコサイト、アイビーカラー、Blue Mash、 Conton Candy、なきごと、the satellites、「夜と同時に、動き出す。」、マイナス²、メから鱗、オレンジの街、ケプラ、明くる夜の羊、Atomic Skipper、サバシスター、とけた電球、TRACK15の総勢38組が集結し、約9時間半にもわたる長時間の熱いフェスを繰り広げた。

 チケットはソールドアウト。会場には多くの音楽ファンが集まり、入場規制がかかるアーティストも少なくなかった。フロアではスタッフが必死に観客を前方スペースへ誘導しており、ライブを観終えて外に出ると次のアーティスト目当ての観客が行列を作っていることも。

 最もキャパシティの広い下北沢Shangri-Laをファンタジーの世界に染め上げたのは、クジラ夜の街。フロアには若い世代の男女が集まり、サウンドチェックから本番と同じ熱量で盛り上がる観客も多かった。そんな期待感に満ちた会場へ、彼らにしか表現できない不思議な世界観が詰まった楽曲たちを届ける。星空の煌めきや夜の冷たい空気、優しい月明かりなどの景色を表現する魔法のようなサウンドは、観客たちの心を強く惹き付けた。

 下北沢Mosaicで特別な思いを抱きながらライブをしたのは、なきごと。活動初期は頻繁にこのステージへ立っていたという彼女たちは、キャリアを重ねた今、再び同じ場所でライブをやれることに感慨深さを覚えているようだった。水上えみり(Vo/Gt)の凛とした佇まいを感じさせる透明感のある歌声に、岡田安未(Gt)の浮遊するような心地よいギターの音が重なり、エモーショナルな空間をつくりあげていく。初心に立ち返った誠実なライブを見せたつつも、今の自分たちをこの場所に刻み付けるよう新曲も披露。ライブを終えた彼女たちが最後に見せた、全てを出し切ったような晴れやかな笑顔が印象的だった。

 日が落ちて夕方から夜に変わるころ、下北沢ReGではとけた電球が上質な音楽を奏でていた。フロアも少し落ち着いた雰囲気だったが、演奏が始まるとみるみるうちに人が増えていき、1曲目が終わるころには身動きが取れないほど満員に。洗練されたサウンドとキャッチーなメロディ、そして岩瀬賢明(Vo/Gt)の抜けるような伸びやかな歌声は、観客たちの心を酔わせる。彼らは、Organic Call 平田真也(Vo/Gt)の「誰か出てくれないか」というツイートに反応したことで参加が決まったという。そんなノリから新しい音楽との出会いの場を作るフットワークの軽さも、このフェスの大きな魅力の一つなのだろう。

Organic Callライブ写真(とけた電球)
とけた電球

 老舗ライブハウスの下北沢SHELTERでトリをつとめたのは、メメタァ。西沢成悟(Vo/Gt)は「俺たちをトリに選んだのは、オガコ(Organic Call)の信頼じゃなく、挑戦なんだ!」と叫び、その挑戦を成功に導くべく、本気の熱いライブをノンストップで繰り広げる。汗だくの彼らが鳴らす疾走感溢れるサウンドと飾らない等身大のメッセージに、観客たちは熱狂。「楽しかった!」「すごかったね!」と口々に言いながらライブハウスを後にする観客たちの笑顔こそが、Organic Callの選択が正解だったという何よりの証拠だろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる