YOASOBI、初の海外フェス出演で世界へ 88risingがフックアップする“アジアを代表するアーティストとしての魅力”

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』(以下、ロッキン)でYOASOBIのライブを観た。初の音楽フェスへの出演にしてトリを務める大抜擢だ。それでいて有観客としては2回目のライブでもある。経験が浅い中でのステージだったが、それを感じさせない堂々としたパフォーマンスで数万人の観客を熱狂させていた。まるで自身の大型ワンマンかと思うほどのLEDビジョンを使った、大掛かりなステージセットもライブを引き立てており、ド派手な映像演出で圧巻の景色を作っていた。このようなライブを行えるのならば、海外でライブを行っても通用すると感じた。そんな最中、YOASOBIはインドネシアで開催される88rising主催の音楽フェス『HEAD IN THE CLOUDS』への出演が決まった。

 88risingはアメリカを拠点にした音楽レーベル兼メディアプラットフォームである。その特徴のひとつが、レーベルの所属アーティストのほとんどがアジアをルーツにしていることだ。アジアの良質な音楽を世界に発信する役割を担っているとも言える。特にレーベルの所属アーティストであるJojiは日本人でありながら、デビューアルバム『Ballads 1』で全米Billboard R&B/Hip-Hopチャートで1位を獲得。アジア人初の快挙を成し遂げた。

 最近ならば『Coachella Valley Music and Arts Festival』(以下、コーチェラ)に出演した88risingのステージに、宇多田ヒカルが登場したことが印象深い。日本の音楽フェスへの出演経験がない宇多田ヒカルにとって、コーチェラが初の音楽フェス出演となった。日本では国民的アーティストの彼女だが、おそらく海外ではコーチェラ出演でその存在を知り、初めて歌声を聴いて感動したという人も少なくないだろう。88risingはアジアの魅力的な音楽を世界に広めることを目的のひとつにしており、宇多田ヒカルのフックアップはその象徴的な出来事となった。

 魅力的ならばジャンルは関係なくフックアップするのが88risingであり、日本のアーティストで言うと新しい学校のリーダーズもその一つ。独創的で唯一無二なコンセプトや音楽性を持つ彼女たちを、88risingが楽曲プロデュースしたり、主催フェスへブッキングすることで、その魅力を世界へ発信している。

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