TWICEメンバー分析 第2回:ジヒョのパフォーマンスが創り出す壮大な世界観 人間味あふれるリーダーとしての安心感も

 2022年7月、メンバー全員が所属事務所との契約更新を行なったことが発表されたTWICE。本連載では、2015年のデビュー以来、韓国国内はもちろん日本をはじめ世界中の人々の心を捉え、K-POPシーンを代表するビッググループに成長した彼女たち一人ひとりの魅力を改めて捉えたい。本稿では、グループのリーダーにしてメインボーカルを務めるジヒョに焦点を当てる。

 昨年末から今年にかけて開催のワールドツアー『TWICE 4TH WORLD TOUR "III"』で「SHOT CLOCK」が披露された。ブラス音が力強く鳴り響く中、階段状になったステージにはメンバー9人とダンサーが居並び、一斉にダンスパフォーマンスを行う。その圧巻のイントロに続き、ジヒョが発する第一声。その声が聴こえたとき、突風に吹かれたかのような感覚を味わった。

TWICE「What is Love? -Japanese ver.-」Music Video

 「What is Love?」「Heart Shaker」「Feel Special」「FANCY」で、テンションが最高潮となるラストスパートへ向け楽曲の世界観を一気に拡張させていく彼女の歌声。また「First Time」では優雅に、「Stardust love song」では包み込むように聴き手の心へ染み入るようだ。それらはパワフル、ソウルフル、エモーショナル、スモーキー、奥深い、重厚などと形容することもできる。しかし実際、ジヒョの歌声が私たち聴き手に与えるのは、突風や落雷、また恵みの雨や大木、広大な大地といった、自然の豊かさを前にしたときの感覚に近いと筆者は考える。

 彼女から創り出される壮大な世界観は、歌声だけではなく、ダンスパフォーマンスを通じても感じることができる。

JIHYO PERFORMANCE PROJECT "Crown (Camila Cabello & Grey)" Cover by JIHYO

 例えば、昨年YouTubeで公開された「Crown (Camila Cabello & Grey)」のダンス動画。フロアを素足でしっかりと踏みしめながら、空間のすべてを掌握して舞ってみせる彼女の姿は、まるで何かを司っているかのような神々しさをまとっている。また2020年8月、新型コロナウイルス感染拡大抑止のため対面での公演が叶わなかった時期に開催されたオンラインコンサート『World In A Day』では、無観客でのパフォーマンスにも関わらず、目の前に大勢の観衆がいるのかと思うほど生命力を放出させながら歌い踊る姿が印象的だった。

 そしてこの途方もないエネルギーを内包する彼女が我々に与えるのは、「畏怖」などといった超人的な印象ではない。むしろ「人間味」だ。

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