THE SUPER FRUIT「チグハグ」がTikTokチャート首位 圧倒的な強さを見せた理由を紐解く

参照:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=tiktok&year=2022&month=09&day=05

 Billboard JAPANの「TikTok Weekly Top 20」は、TikTokにおける視聴数のみならず、楽曲がどのように使われて視聴されているのかを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの8月31日付のTOP10は以下の通り。

1位:THE SUPER FRUIT「チグハグ」
2位:Snow Man「JUICY」
3位:星野源「異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)」
4位:DINDIN「I’m not myself when I’m around you (Feat. 10CM)」
5位:Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」
6位:ねぐせ。「グッドな音楽を」
7位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
8位:悪魔のキッス(戦慄かなの&かてぃ)「悪魔のキッス」
9位:NAYEON「POP!」
10位:ぼっちぼろまる「おとせサンダー」

 今週は同チャート並びに同日付のSpotify「Daily Viral Songs(Japan)」で1位を獲得したTHE SUPER FRUITの「チグハグ」を取り上げる。

 THE SUPER FRUITは、水曜日のカンパネラや井上苑子らが在籍する<つばさレコーズ>発の男子プロダクションの発足と同時に、7人のメンバーで結成された男性アイドルグループだ。メンバーの担当カラーも、アップル(赤)、レモン(黄色)、メロン(緑)、オレンジ(オレンジ)、ピーチ(ピンク)、グレープ(紫)、ココナッツ(白)と、フルーツをイメージしている。2022年から本格的に活動を開始し、4月6日にLoppi・HMV 限定盤ミニアルバム『THE SUPER FRUIT』をリリース。全国各地でリリースイベントを展開した。

 今週1位を飾った「チグハグ」は、2022年8月31日発売のインディーズデビューシングルの表題曲だ。8月3日に各サブスクリプション音楽配信サービスにて先行配信がスタートすると、TikTokなどのSNSを中心に瞬く間に拡散され、8月17日付の同チャートで7位に初登場。翌週のチャートで1位となり、それをキープした形だ。ここで注目すべき点は、ランキング内に星野源「異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)」や、この春からTikTokチャートの常連となったさとうもか「魔法」など、同時期にバズを起こした曲が複数あること。これらの強敵を抑えて「チグハグ」が2週連続1位をキープしたことは、特筆すべきだろう。なぜ本楽曲は圧倒的な強さを見せたのか。そこを紐解いていきたい。

THE SUPER FRUIT - チグハグ[Official Music Video]

 まずは楽曲のタイトルが一因ではないかと考える。自分が好きな曲を動画のBGMに使用できるのが大きな魅力であるTikTok。Instagramのリールに比べるとチョイスできる楽曲数も圧倒的に多く、リリース前の曲も数多くある。「チグハグ」は先行配信と時期を同じくして、TikTok内の“トレンド”楽曲に入って来ていた。その中で「チグハグ」というタイトルはかなり目立っていたように思う。「チグハグ」という言葉自体、ちょっと口にしてみたくなるような中毒性がある。このタイトルで思わず聴いてみたという人が多くおり、バズが起こるきっかけになったのではないだろうか。

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