男闘呼組、THE GOOD-BYE、TOKIO、関ジャニ∞……ジャニーズで受け継がれるバンドのDNA

 1988年にジャニーズ事務所からバンドとしてデビューし、1993年に活動休止した男闘呼組が、2022年7月16日に放送された『音楽の日 2022』(TBS系)で再結成し大きな話題を呼んだ。事務所創立から数多の歌って踊れるアイドルグループを生み出してきたジャニーズだが、一方で古くはANKHやTHE GOOD-BYE、最近ではTOKIOや関ジャニ∞など、メンバーが楽器を演奏するバンド形式のグループも脈々と受け継がれている。

 ジャニーズ発バンドの歴史を紐解くと、1962年に渡辺プロダクションの系列会社としてジャニーズ事務所が創業され、「ジャニーズ」や「フォーリーブス」がデビューしていく中、彼らのバックバンドとして1966年に結成されたのが「ハイソサエティー」。1970年11月21日にアルバム『世界へジャンプ! ハイソ・サンライズ・プレゼント』でレコードデビューし、後に「スーパーエイジス」と「アニメーション」の2バンドに枝分かれして活躍した。1980年に結成された「ANKH」は、同年7月21日に『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)のイメージソング「イマジネーション」でレコードデビュー。さらに同年10月21日にアニメ『鉄腕アトム』のエンディングテーマ「未来に向って」をリリースするなど、実績を残したジャニーズのバンドといえる。

 「THE GOOD-BYE」は野村義男が「どうしてもバンドでデビューしたい」とイチからバンドメンバーを探し、ANKHでギタリストをしていた曾我泰久などが加わり1983年に結成。The Beatlesのような野村と曾我の2トップボーカルの4人組で、同年9月1日にシングル『気まぐれONE WAY BOY』でデビュー。1stアルバム『Hello! The Good-Bye』は、大瀧詠一を彷彿とさせる「TAKE OFF」や、野村がジミ・ヘンドリックスに捧げた「Shock Me!」のサイケデリックサウンドなど、自分達が作りたい楽曲を発信し音楽ファンを唸らせた。また、作詞作曲を自分たちで行うというのも、後のジャニーズに影響を与えたと言える。

 そして1985年3月に結成された4人組ロックバンド「男闘呼組」は、本格派ロックバンドをコンセプトに、1988年8月24日に『DAYBREAK』でレコードデビュー。同年の『第30回輝く!日本レコード大賞』では最優秀新人賞を受賞し、『第39回NHK紅白歌合戦』にも出場。1989年リリースの『TIME ZONE』も大ヒットとなり、同年には『男闘呼組 夏・Big Tour ’89』で初の東京ドームコンサートを行う。成田昭次と岡本健一は先輩の野村義男に師事してギターを学んだというが、ジャニーズ内でバンドの血はしっかりと継承された。全体的に転調が多く、主にメインを高橋和也が歌い、途中からハスキーボイスの成田が加わりサビまで歌い上げるスイッチボーカル。BON JOVIやDef Leppardへのオマージュを感じる楽曲が多かった。4人全員がボーカルを担える上、メンバーが作詞作曲を意欲的に行うところも本格派と言われる所以だ。

 ジャニーズ史上最も成功したバンドの一つといえるのが「TOKIO」。5人組バンドとして1994年9月21日に『LOVE YOU ONLY』で<Sony Records>からCDデビュー。2001年に<ユニバーサル ミュージック>へ移籍し、同年のシングル『メッセージ/ひとりぼっちのハブラシ』でデビュー7年目にして初のオリコン1位を獲得。主に長瀬智也と山口達也のツインボーカルの楽曲が多く、以降も「AMBITIOUS JAPAN!」や「宙船(そらふね)」など数々のヒット曲を発表し、『NHK紅白歌合戦』には1994年から2017年まで24回連続出場と、ジャニーズ所属アーティストで歴代最多を記録。個人ではタレントや俳優活動を行いながら、バンドとして長年活躍したことはジャニーズの歴史においても金字塔といえる。

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