にしな、一人で進むために選んだ“仲間”との別れ 旅立ちと自由への希望を託した「青藍遊泳」のバックストーリー

にしな「青藍遊泳」インタビュー

 にしな が新曲「青藍遊泳」をデジタルリリースした。この曲は昨年6月に東京で開催された初ワンマン『hatsu』、今年4月に大阪と東京で開催された2回目のワンマン『虎虎』で、ともにアンコールの一曲目として演奏され、MCでは「自分にとっての分岐点」と語られた重要なナンバー。〈さらば友よ、忘れてしまえよ〉と歌われる「別れと旅立ち」の歌であり、その背景にある「誰でも自分の人生を好きなように生きていい」という思いは、にしな の楽曲の根底にあるメッセージだと言っていいだろう。

「青藍遊泳」MUSIC VIDEO

 7月にはニューアルバム『1999』のリリースも控える にしな に、この曲に込めた想いを語ってもらった。(金子厚武)【最終ページに読者プレゼントあり】

2ndワンマン『虎虎』で変わったライブ観

にしな

ーーまずは4月に大阪と東京で開催されたワンマンライブ『虎虎』を振り返っていただけますか?

にしな:2回目のワンマンライブだったので、その分進んだ自分が見せられたらいいなと思ったし、お客さん全員と楽しめるライブにしたいなと思っていました。あとは、よりバンドのみなさんと一緒に会場全体の雰囲気を作り上げるような意識を持って取り組んだワンマンで。実際にやってみても、みんなで作ったワンマンだったと思います。

ーー『hatsu』のときは、もっと自分が背負い込むような感じがあった?

にしな:そこまでそういう意識が強かったわけではないんですけど……最初は右も左もわからない感じだったんですよね。でも今回はライブの流れをバンドのみなさんと共有しながら作っていこうっていう気持ちが強くなりました。

ーー僕は中野サンプラザでのライブを見せてもらったんですけど、やっぱり前半はお客さん側も含めていい緊張感がありつつ、にしなさんの歌を集中して聴いている感じがして。そこから徐々に会場全体が熱を帯びていって、中盤で披露された「モモ」の弾き語り以降はもっと解放的というか、それこそバンドメンバーと一緒に空気を作って、よりみんなで楽しめるようなライブになった印象でした。

にしな:たしかに、そうかもしれない。バンドマスターと話してたのは、「最初の緊張感を生かしていけたらいいね」ってことで。そういう組み立てを考えてはいたので、「モモ」以降によりフワーッと広がったように感じてもらえたならうれしいです。

ーーワンマン以降は春フェスの出演があって、ワンマンとはまた違う発見や手応えがあったかなと思うのですが、いかがでしたか?

にしな:思ったようにできたりできなかったり、やっぱり進んで、下がってが自分のなかではあるんですけど……ワンマンとフェスを経て思ったのは、もちろん自分には歌で何かを届けたい気持ちがあるけど、同じくらいすごくお客さんからもメンバーからもパワーとかいろんなものをもらえたり、救われたりもするし、それを自分なりに還元して、そうやってライブができあがっていくんだなっていうのを実感して。上手くいかないことがあっても、振り返ったらメンバーが笑ってくれてたり、お客さんが笑ってくれてたり、それに救われるし、そういうことも含めて最終的にいいライブになったらいいんだなって、そんな風に思えるようになりました。根源として歌うことがすごく好きだし、これからもいっぱいライブをしたいなと思います。

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