桑田佳祐、佐野元春、世良公則、Char、野口五郎が歌う平和へのメッセージ 次世代へのエールも込めたロックンロール

「時代遅れのRock’n’Roll Band」
「時代遅れのRock’n’Roll Band」

 音楽に世界を変える力はあるか? 答えはもちろんYESだ。この曲を聴いて、そのことを改めて確信した。

 「桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎」名義による楽曲「時代遅れのRock’n’Roll Band」が5月23日、緊急配信リリースされた。昭和、平成、令和を通して活動を続けてきた“同級生”たちによる、平和へのメッセージと次世代へのエールを刻み込んだロックンロールだ。

 事の始まりは今年2月。桑田と世良が久しぶりに顔を合わせ、二人でギターを持ってセッションしながら、“同級生で協調して、今の時代に向けた発信をできないか?”というアイデアが生まれた。それが桑田佳祐(1956年生まれ)、佐野元春(1956年生まれ)、世良公則(1955年生まれ)、Char(1955年生まれ)、野口五郎(1956年生まれ)の5人で楽曲をリリースする構想に発展。桑田がそれぞれに手紙を書き、直接会い、このプロジェクトが実現したのだ(桑田には、“トラヴェリング・ウィルベリーズ”のイメージもあったという)。

 共通点は、40年以上に渡って第一線で活動しているアーティストであること、そして、ボーカリスト/ギタリストとして独自のスタイルを確立していること。これまで大きな交流がなかった5人だが、『今敢えて“時代遅れ”なやり方で、我々の世代が「音楽という名の協調」を楽しむ姿を発信し、その中で「次世代へのエール」や「平和のメッセージ」を届けたい』という桑田の考えに共感し、共に歌い、演奏するために集結するに至った。

 「時代遅れのRock’n’Roll Band」は、5月21日放送のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM/JFN系)で初オンエアされた。

 イントロはCharのギター。5人が歌を繋ぎ、古き良きロックンロール、フォークソング、ポップスを想起させるメロディが広がっていく。〈この頃「平和」という文字が 朧げに霞んで見えるんだ 意味さえ虚ろに響く〉〈No More  No War 悲しみの 黒い雲が 地球を覆うけど 力の弱い者が 夢見ることさえ 拒むと言うのか?〉といった現実の世界と強くリンクした歌詞のパワーもすごいが、特筆すべきはやはり、5人の歌声だ。一瞬でその人だと分かる際立った個性、豊富な経験に裏打ちされた表現力、そして、“このメッセージを伝えたい”という強い思いが刻まれたボーカルは、まさに圧巻。5人が織り成すハーモニー、Char、世良、野口によるギターソロなど、全編が聴きどころと呼ぶべき楽曲だ。(レコーディングには原由子、斎藤誠も参加!)

 番組のなかで桑田は「音楽をやっててよかったと思わさせてもらいました。“お互いのいいところ持ち寄って”という歌詞もあるんですけど、元気で楽しい表現ができたんじゃないかなと思います」とコメント。リスナーからも数多くの感想が寄せられ、オンエア直後から大きな反響を呼んだ。

 さらにこの日の放送では、歌詞にある〈子供の命を全力で 大人が守ること それが自由という名の誇りさ〉という言葉を実現すべく、この楽曲を通じて得られる収益の一部は、困難に直面している世界中の子どもたちの未来といのちを守るため、『Save the Children(セーブ・ザ・チルドレン)』に寄付することも発表された。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる