超特急、8号車に誓ったこの先の“進化” 新メンバー募集への思い語った10周年ツアー初日公演

超特急、10周年ツアー初日公演レポ

 超特急が、4月23日、川口総合文化センター リリア メインホールで『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』の初日公演を開催した。昨年末に結成10周年を迎えた彼らにとってはもちろん、一緒に走り続けてきた全国の8号車(超特急のファンの呼称)にとってもまさにアニバーサリーとなるこのツアー。懐かしさと新しさがきちんと共存したセットリストが組まれ、ツアーロゴとして発表されていたウサギの正体が明かされたり、会場全体を異空間へと変えてしまうような演出で魅了したりと、とにかく盛り沢山な内容となっていた。既報のとおり「新メンバー募集オーディション開催」という驚きの発表もあったが、このツアーは10年の総括ではなく、さらなる未来へ向けての決意表明であることを強く印象づける初日だった。

 ホールツアーは実に3年ぶり。テーマパークをコンセプトにしたステージセットにはジェットコースターや観覧車、ポップコーンなどが表現されていて、開演した瞬間からすでに「楽しい」や「ワクワク」といった感情が動き出した。ドラマチックな演出のオープニングを経て5人がステージ中央に揃うと、改めて客席との距離の近さを実感。アリーナ公演や配信ライブにもそれぞれの良さはあるが、アニバーサリーだからこそ、そしてこの先を見据えた大切な発表を踏まえたツアーだからこそ、より近い場所から自分たちのパフォーマンスを届けるという気持ちの表れのようにも感じられた。

超特急
タカシ

 楽しいわちゃわちゃ感もスタイリッシュな一面も、ふんだんに取り入れながら進んでいくステージ。ライブの定番曲となっているものは思い切りみんなで楽しみ、久しぶりに披露された楽曲ではイントロから驚きのリアクションがわき起こる。ツアーロゴであるウサギのキャラクターや、事前にSNSなどでも見かけていた「ぴょん特急」というキーワードの正体も明かされ、このグループならではの遊び心やサービス精神に会場は大いに盛り上がっていた。コミカルな状況なのにとことんクールで攻めたり、クールな中で綻んだ表情を垣間見せたり。そのどれもを全力で、しかも限りなくナチュラルにやり切っている彼らは生粋のエンターテイナーであると再確認できるような構成でもあった。パフォーマンス、演出面での新たな挑戦はそんな彼らのキャラクターやスキルを存分に発揮したものでもあったし、客席も一緒になって楽しめるという切り口もまた、“8号車ファースト”である超特急らしさが伝わってくるものだった。

 ライブもいよいよ終盤となるタイミングで「ここで超特急から大事なお知らせがあります」とリョウガ。映像で新メンバー募集のオーディションを開催することが伝えられると、客席からは驚きの声が湧き上がり、騒然とした空気に包まれた。リョウガはざわめく8号車を気遣うように「突然1分ほどの動画を見せられて“なるほど”とはならないと思うので」と、メンバーそれぞれからの言葉を促した。

超特急
タクヤ

 先陣を切ったタクヤは「いろんな感情が巡り巡っていると思う。10年間、知っての通りいろんなことがあった。僕らはさらに進化をしたいし、応援してくれている皆さんのためにも一緒に東京ドームに立ちたい。とはいえ、この5人で力不足というわけではなく。僕らは覚悟を持って発表した。いろんなことを思うだろうけど、ついて来てほしいなと思う。ペンライトを振ってみてください。この景色を見るために僕たちは10年やり続けている。この先ももっと先も、その素敵な景色を見せてください。よろしくお願いします」と頭を下げた。

 タカシは「メンバーともスタッフさんともずっと話し合ってきた。何が正解なんやろう? ってなりながらも、僕らはもっといろんな景色を見たいし、8号車のみんなにいろんな景色を見せてあげたいと思った。新メンバーを募集して、さらにパワーアップ、進化できたらいいなと心の底から思った。これから先もずっと続けていくには、もっと力が必要。すでに前を向いて走っているけど、8号車のみんなを誰1人として置いて行きたくない。後悔させるようなグループじゃないことを絶対に証明してみせるので、この先もずっと温かく見守ってくれると嬉しい」と笑顔で語った。

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