アミューズ所属女優、国際女性デーに『ハンサムW LIVE』開催 “自分らしくいること”を表現した壮観のステージ

アミューズ所属女優『ハンサムW LIVE』開催

 2022年3月8日、東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて、アミューズに所属する女優達が出演するライブ『AMUSE PRESENTS SUPER HANDSOME W LIVE “HANDSOME” is not just for men.』(『ハンサムW LIVE』)が開催された。2005年に始まった、若手男性俳優によるファン感謝祭、通称『ハンサムライブ』を開催してきたアミューズが、国際女性デーに「“ハンサム”の概念は男性だけにあらず」のコンセプトのもとに行なった本ライブ。柚希礼音、ソニン、愛希れいかといったミュージカルスター、そして近年舞台でも頭角を表してきている清水くるみや石田ニコルなど総勢11名の女優が壮観のステージを繰り広げた。

 スポットライトに照らされた柚希がステージ2階に登場したのを皮切りに、黒くきらびやかな衣装に身を包んだ出演者が華麗な踊りを繰り広げながらステージ上に登場。「Starting Now~新しい私へ」、「This Is Me」(『The Greatest Showman』より)を全員で歌い、前向きで華やかなオープニングを飾る。タイトでセクシーな衣装に早替えした柚希、ソニン、愛希、村川絵梨、石田、三吉彩花による「Show Me How You Burlesque」(『「BURLESQUE」』より)ではダイナミックかつ曲線的な振り付けで魅了した。

 続くソロコーナーのトップバッターとなったソニンが生命力のあるファルセットを披露したのは「Defying Gravity」。世間から悪者に仕立て上げられたことを受け入れて悪者として生きていき、それでもなお自らの信念を貫くという特異なストーリーを描く『WICKED』の楽曲を、圧倒的な声量で歌い上げた。

 石田は自身が出演した『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』より「It Won't Be Long Now」を軽やかな足取りでステージを歩きながら歌い上げ、三吉は清水くるみとともに『The PROM』より「Dance with You」を披露。清水の透明感のある歌声が三吉のしたたかな歌声と混ざり合い、美しいハーモニーで2人の物語を築き上げた。

 愛希は「HOME」(『ファントム』より)で心が浮き立つような明るさを表現し、ピアノとアコースティックギターの音色に誘われるようにステージに登場した村川による「Goodbye Until Tomorrow」(『The Last 5 Years』より)では、前向きな序盤と打って変わった、悲し気な終盤で表情の幅を見せる。楽曲ごとに入れ替わる女優がステージの空気をその都度一変させ、劇的に展開していく。

 さらに、この日はミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』に出演したメンバーが5名もいたということで「自由の国の娘たち」を力強く、そしてユニゾンの箇所では柔らかく響かせながら披露。国際女性デーを踏まえ開催されたライブにマッチした、女性の権利を勝ち取る内容の楽曲を噛みしめるように歌い上げた。

 海外の女性アーティストも様々なムーブメントを起こしているとの前置きののち、ソニン、村川、堀田真由の3人によって披露されたのは、海外女性アーティストの歌詞を日本語訳したポエトリーリーディング。アリアナ・グランデの「7 rings」は砕けた口調の中にも強い意思を感じさせながら「欲しいものは全部自分で手に入れる」と堀田が読み上げ、一変して村川が柔らかい印象を与えたクリスティーナ・アギレラの「Beautiful」へと、そして3人で「あなたは美しい」と何度も訴えかけたLittle Mixの「Little Me」に繋がる。朗読によってより強くメッセージを伝えた。

 恒松祐里、島ゆいか、礒部花凜の3人は『アナスタシア』より「Journey to the past ~心のままに~」を瑞々しく希望的に歌唱する。事前に告知され期待が高まっていた、BLACKPINKとPerfumeのダンスカバーも披露された。BLACKPINK「Kill This Love」では愛希、清水、石田、三吉によって上品な美しさと迫力が共存するダンスを披露。Perfumeの「ねぇ」を踊った村川、恒松、堀田はカラフルな照明に彩られたステージでキュートなパフォーマンスを展開した。

 柚希、ソニン、愛希という豪華トリオで披露されたのは『Dreamgirls』より「Dreamgirls」。作品と同じくきらびやかなマーメイドドレスに身を包んだ3人がおおらかに歌い上げていく。

 新型コロナウイルスの影響でミュージカル『イフ/ゼン』が全公演中止になったことで、これまで披露する機会がなかったという「Always Starting Over」も柚希によって歌唱された。伸びやかに歌われた〈何度でも始めるの 今〉という詞が印象的に響く。

 自身が出演した、あるいは影響を受けた作品のナンバーを次々歌い紡ぐ女優たち。物語の役に没入するのではなく、楽曲に自身の気持ちを代入するというミュージカルにはない形で自身の強さを、ハンサムさを際立たせていく。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる