関ジャニ∞、『関ジャム』など冠番組に見る豊かなバラエティ力 長年育んできた5人の関係性

 2021年11月からスタートし、今年1月の宮城公演まで有観客で行われた『KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT』を完走した関ジャニ∞。アイドルの枠を超え活躍する彼らであるが、バラエティ番組で見せる振り切った姿も、大きな魅力のひとつだ。今回は彼らが冠番組などで見せるバラエティ力に注目してみたい。

トレンドワードも生み出す関西発信のバラエティ力

 関ジャニ∞は、デビュー前から『J3 KANSAI』『ほんじゃに!』(共に関西テレビ系)、『裏ジャニ』(テレビ東京系)などローカルながらバラエティ番組の出演歴も豊富で、体当たりな企画なども含め様々な経験を積んできた。なかでも『関ジャニ∞のジャニ勉』(関西テレビ系)は、2007年のスタートから2021年の放送終了まで、ジャニーズファン以外にも親しまれ、番組を通じてグループの魅力を知ったという人も多いのではないだろうか。毎回多彩なゲストを迎え、トークやユニークな企画に挑戦していく中でメンバーそれぞれの個性や魅力が引き出されていった。『関パニ』(テレビ朝日系)で行われた絵描き歌のコーナーで丸山隆平が歌った曲からは、今でも時折Twitterトレンドに突如浮上し話題となるキーワード「#U字の水槽」も生まれている。

 『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系)では、大倉忠義がアーケードゲームの『太鼓の達人』で有名ドラマーらと対決。ストイックにゲームに向き合う大倉の真面目な姿にも注目が集まった。また、特番『マジか!?のHOW TOバラエティ 関∞ピース』(TBS系)では、メンバーが丸山の持つロープを引っ張り水中高速移動に挑戦。その姿から生まれた“ゼリー丸山”というキーワードは、今もエイター(関ジャニ∞のファンの総称)を中心に伝説として語り継がれている。

忖度なしの辛口コメントも、メンバーの関係性ありき

 そして放送中の『関ジャニ∞クロニクルF』(フジテレビ系)でも、メンバーが体当たりで挑む企画やドッキリが好評だ。「最強のカスタム」シリーズでは優秀なものからイマイチなものまで、様々なレシピが登場。メンバーといえど忖度なしの辛口ジャッジをしていく姿からは、心地よい関係性が見え隠れする。また筆者も毎回楽しみにしている企画が、「せっかち-1グランプリ」だ。記念すべき第1回目となった2021年10月の放送では“他のメンバーにドッキリを仕掛ける”という名目で、1人ずつ呼び出され、映画『ジョーカー』の主人公・ジョーカーの姿に。廊下に設置されたロッカーに隠れ、通りかかるメンバーを驚かすという企画なのだが、自他共に認めるせっかちアイドルのメンバーがいつまで待ち続けられるかを競った。トップバッターの村上信五は、ネタばらしをされた後に次の挑戦者 丸山をモニタリング。「趣旨をわかった上で見るとおもろい」と同企画を絶賛し、ドッキリと知った丸山も「ここ何年かで一番笑った」と大笑いしていた。見せた書類を落としたスタッフに対する安田章大の神対応に、村上と丸山は「いち社会人として見習うところしかない」と讃える場面も。“せっかちツートップ”と言われている大倉と横山裕のリアクションもファンを喜ばせた。放送後には不安な面持ちで総合演出のスタッフ名を連呼する大倉と、意外にも企画に忠実な横山の対比を見たファンの感想が、SNS上で大きな盛り上がりを見せていた。

 同企画の第二弾では、トラの姿になったメンバーに再びドッキリが仕掛けられた。トラの姿のまま堂々とテレビ局の廊下を移動するメンバーの様子が映し出されたシーンで筆者は笑いが止まらなくなってしまった。今回はテレビ局のロビーに設置されたロッカーに潜むものの、そのロッカーが突如壊れてしまうという仕掛けが。そこからロッカーへ向かう前のスタート地点に戻るまでのタイムを競ったのだが、村上はその戻るまでの道のりに用意された仕掛けが間に合わないほどのスピードでゴール。一方、安田は泣いているADを優しく慰めるなど再び神対応を発動した。せっかちのはずの大倉は、足止めの仕掛けである新人アイドルグループからの挨拶に丁寧に対応。その姿をモニタリングしたメンバーが「(なにわ男子など後輩を)プロデュースしているからな」と頷き合うシーンも見られた。モニタリングしているメンバーのリアクションや、ドッキリを仕掛けられたメンバーの飾らない素の表情が垣間見られるのも、この企画の楽しみのひとつと言えるだろう。

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