BiSHや嵐、解散・活動休止宣言はトレンドに? 別れの期間を設ける事前予告のメリット

 BiSHが2023年での解散を発表した。グループが活動における最大の目標として掲げていた『NHK紅白歌合戦』への出場決定直後の解散発表だったこともあり、グループのファンだけでなく多くの音楽ファンが驚いた。解散時期は2023年としており、それまではリリースやライブなどの様々なプランが予定されている。

 発表から解散まで1年以上のスパンを設けたBiSH。これを聞いたときにおそらく多くの音楽ファンが嵐の活動休止を思い出しただろう。2020年末で活動休止期間に入った嵐だが、活動休止の発表があったのは2019年1月。活動休止期間に入るまで実に2年近いスパンがあった。BiSH、そして嵐と、解散・活動休止を事前に告知することが、一種のトレンドとなりつつある。

 解散・活動休止まで1年以上の時間を設けるのには、どういう意味があるのだろう。グループやファンとしては、グループの終わる時期を長く設けることで互いに時間をかけて感謝を伝え合うことができる点が大きいだろう。嵐は活動休止発表後、グループ最大規模となる全国ツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』を開催。ドーム会場を50公演という他に例の無い規模でファンの元を回り続けた。また新国立競技場にて『ARASHI アラフェス 2020 at NATIONAL STADIUM』を開催。同公演は新型コロナウイルスの影響で結果としては無観客配信でのライブ開催となったが、嵐としても縁深い国立競技場でライブを行った意義深い公演だった。

 ドームツアー、新国立競技場公演。いずれもファンを想い、その気持ちに応え、暫しの別れを告げるためのライブであり、2年という時間はそのために必要な期間だった。思えば嵐の活動休止発表の際、会見でメンバーの櫻井翔は「無責任かというご指摘に関しては我々からの誠意はおよそ2年近くの期間をかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です。なので、それが届くようにこれからもたくさんの言葉をお伝えし、たくさんのパフォーマンスを見てもらい、それが無責任かどうか判断いただけたらと思います」と語っていた(※1)。そしてその言葉通り、2年という時間で嵐ファンはコンサートを通してメンバーの深すぎるほどの誠意を見た上で、メンバーの活動休止という選択の背中を押したのだ。

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