ゲスの極み乙女。×indigo la End、それぞれの個性で観客を圧倒 川谷絵音の誕生日も祝った対バンライブ『馳せ合い vol.2』レポ

ゲスの極み乙女。×indigo la End 対バンレポ

 ゲスの極み乙女。とindigo la Endの対バンライブ『馳せ合い vol.2』が、両バンドのフロントマン・川谷絵音の誕生日である12月3日に東京国際フォーラム ホールAで行われた。

 先攻はindigo la End。コロナ禍でのバンドの活動やメンバーインタビューで構成された映像が流れ、ファンの期待を煽ってからメンバーが登場。「ワンダーテンダー」でライブが始まると手拍子が巻き起こり、「渇き」ではファンが腕を上げて盛り上がったりと、序盤からしっかりと自分たちの空気を作っていく。熱量ある演奏が続いたが、indigo la Endの強みは胸に沁みる繊細さも強みの一つだ。「冬夜のマジック」や「チューリップ」は、まさにそのような楽曲である。この2曲は優しい音色と心地よい演奏で胸が温まる。

 indigo la Endのライブも後半に差し掛かり、さらに熱量を増していく。8分の7拍子の複雑なリズムとポエトリーリーディングが印象的な「大停電の夜に」では、演奏力の高さでファンを圧倒させた。この曲は演奏する際に集中力がいるのだろう。演奏後のMCで川谷は「昔は演奏を間違えて揃わない時があったけれど、今では揃うようになった曲」と感慨深そうに語っていた。代表曲「夏夜のマジック」ではハンドマイクとなり、緑や紫の妖艶な照明に照らされながら、ゆったりと披露した。その後のMCでは「夏夜のマジック」をセットリストから外したことがないという話題になり、川谷が「もう1回やる?」と言ったり、佐藤栄太郎(Dr)が「もうやりませんと言った後に演奏を始めてみる?」と言ったりと、メンバー同士で冗談を言って笑い合う。演奏中はクールなのに、喋り始めると、その面影はない。これもバンドの魅力に繋がっているのだろう。

 ライブ当日に配信リリースされた新曲「邦画」を披露してから、映像が流れると2022年11月1日にバンドにとって初の日本武道館公演『藍』を行うことが、メンバーの意気込みやコメントと共に発表された。しかしメンバーは日本武道館公演を冷静に受け取っているようだ。映像内で佐藤は「キャパの大きいホール」とコメントし、長田は日本武道館公演が決まった感想を「別に」と答えていた。両者共に「冷めたことを言ってしまった」と反省していた。しかし場所を選ぶことなく常に軸がブレない活動をしてきたからこそ、冷静に受け取っているのかもしれない。

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