小野大輔、近藤孝行らVacances”が歌い上げる名曲 声優4人の個性と好みが光るカバーアルバムを聴いて

 菅沼久義が選んだのは、自らカラオケの十八番だというGLAY「Winter,again」と、すかんち「恋のマジックポーション」。冬ソングの定番「Winter,again」は、さすが歌いなれているだけあり歌声の安定感が素晴らしく、この曲の魅力でもあるサビの力強い高音を伸びやかに歌い上げるなど、聴いていて気持ちがいい。

 メンバーのROLLYが番組にゲスト講師として出演した、すかんち「恋のマジックポーション」は、グラムロックと歌謡曲が合わさったようなテンション上がるアッパーな1曲。色あせない個性を放つこの曲をカバーするにあたり、「自分だけの『恋のマジックポーション』が歌えたら」と語っていた菅沼(※1)。言葉の通り、合いの手や煽りを入れたり、とにかく楽しそうに歌っている姿が印象的だった。

菅沼久義がトラウマになるくらいの出来事が!? 自称「地に足のついた"変態"ミュージシャン」ROLLYからロックを学ぶ!

 アルバムのラストを飾る「ありがとう」は、Vacancesのオリジナル曲。ジャニーズを中心に数多くのアーティストに楽曲を提供してきた作曲家・Shusuiと4人が、番組内で共作した楽曲をベースに制作された。〈旅立つ(僕らは)明日へ(未来へ)〉など歌での掛け合いは、どこか卒業式の合唱曲のような趣がある。さすが声優というべきか、サビで4人が合唱している時の歌声の重なりが非常にクリアで美しく、アルバムの締めにふさわしい曲だ。

鼻歌王子・小野大輔が作曲にチャレンジ!プロが教える“曲を作るために大事なコト”とは?音楽プロデューサー・Shusuiの生演奏に菅沼久義が感動で涙!?

 「バカンス」=休日のゆったりした雰囲気と、「バカ4人」という意味を込めて菅沼が命名したVacances”。その4人が自らの好きな曲をチョイスしていることもあり、曲のラインナップからその個性が感じられるとともに、それぞれが選んだ2曲の振れ幅からもまた違った表情を見ることができる。

 ちなみに、実はVacances”の4人は午年生まれのユニット・DABAでも活動を共にしていた、全員1978年生まれの同い年グループでもある。彼らと同世代のファンには、懐かしくも新しさを感じさせてくれる1枚として、若いファンには往年の名曲を知るきっかけとしても価値ある1枚になっているのではないだろうか。

※1:https://www.lisani.jp/0000180988/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる