櫻坂46、3rdシングル収録曲「Dead end」で強固にするアイデンティティ グループが示す勇敢な姿勢

 そして何より興味深いのは、表題曲と近しいサウンドで揃えている点である。今までは1stシングルも2ndシングルも、収録曲はそれぞれカラーを分け、センター三者の個性を引き出す狙いがあったように思う。しかし、今回の3rdシングルは現時点で公開されている「流れ弾」も「Dead end」も、いずれも軽快なギターのバッキングのあるバンドサウンドを下地に、金管系の音が鳴り響き、その中でエレピやコーラスが味付けする骨太な曲調で、共通点が多い。

 そこからはある意味、櫻坂46のスタイルが固まりつつあるのを見て取れる。「流れ弾」にしろ「Dead end」にしろ、先日公開された全体のアーティスト写真がよくマッチする楽曲だ。言うなれば、荒野を練り歩く力強い女性像。情熱的で艶やか、緻密さもありながら大胆さも持ち合わせている。表題曲のセンターを務める田村保乃は、最近では『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)の“あざと連ドラ”に出演もしたほど可愛らしい魅力を持っている。一方で、森田も女性誌『ar』(主婦と生活社)に連載を持つメンバーだ。したがって、3rdシングルはメンバーたちのアイドル的な魅力を届けるというよりは、むしろ「Nobody's fault」や「BAN」で構築してきたグループのアグレッシブなイメージを、より強固にする方向性に振り切っている。

 欅坂46が築き上げた唯一無二の路線を引き継ぎ、道なき道をひた走る櫻坂46。改名からちょうど一年となるタイミングでリリースされる今回の最新作は、グループがこれまでの期間に創り上げた独自のカラーが色濃く表れるシングルになりそうだ。

※1:https://sakurazaka46.com/s/s46/diary/detail/40780

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