SKE48 須田亜香里、江籠裕奈、熊崎晴香、荒井優希、鎌田菜月インタビュー 意識の変化が生んだ“家族”のような団結力

SKE48、“家族”のような団結力

「美澪ちゃんはすごく堂々と立っていました」(熊崎)

熊崎晴香、須田亜香里、鎌田菜月

――では、ここで改めて『あの頃の君を見つけた』の選抜メンバーに選ばれた気持ちを聞かせてください。

須田:須田は4枚目の『1!2!3!4! ヨロシク!』からずっと選抜に入れていただいています。前は、「選ばれることは当たり前じゃないな」というところでありがたみを感じていたんですけど、29歳になりSKE48のメンバーになってもうすぐ12年になる今、それでも「おめでとう」と選抜入りしたことを喜んでくれる人がいるんです。その人数だけ「私もまだSKE48にいていいんだ」と思いますね。それに、今自分が立っている場所を認めてくれているような言葉にも聞こえます。なので、「おめでとう」の聞こえ方がまた変わりました。「まだいていいんだろうか……」と卒業に踏み切れない自分に弱さを感じている自分としては、お祝いしてもらえるとホッとします。

荒井:私は4回目の選抜なんですけど、選ばれるたびに「ファンの方の応援ありきの自分だな」と感じます。今回も、ファンの方が「選抜でいる姿を見たい」と言って応援してくれたから叶ったんだろうなと。ファンの方がいることで「もっともっと頑張りたい!」と思えるので、今回も選抜入りという形で感謝できる機会があって嬉しいです。

江籠裕奈(以下、江籠):私も、何回選んでいただいても嬉しいし、そのたびにファンの人の顔が浮かびますね。私がはじめて選抜入りしたのは14~15歳の頃で、今では成人して大人になりました。ひとつの形として、自分の成長をシングルごとに残せているのも嬉しいです。見返したときに「SKE48にいられたんだな、自分」と感じられると思うし、この先もずっと残っていくものだと思うので。

熊崎:私は1回選抜落ちを経験しているので、ファンのみなさんがいつも「今回も選ばれて嬉しい!」「でもまた落ちるかもしれないっていう危機感も持っているからね!」と毎回言ってくれるんです。それを聞くたび「そうだよね!」って思います。嬉しい気持ちは表にちゃんと出すけれど、浮かれてばかりじゃなくて気を引き締めないといけない。そういう意志をそれぞれに持っているから、団結できているし今の私があるんだなと思いますね。

鎌田:私は、家でゴロゴロしているときにメールが届いて、選抜に選ばれたと知りました。そこで、思わず「よっしゃ!」って声が出たんですけど、それがきっと私の本音なんだと思います。私も歳を重ねてきて、若手の勢いを感じている中で、私が選抜にいる意味をだんだん考えるようになってきたんです。だけど、そんななかで「よっしゃ!」が出たので。やっぱり嬉しいんだなと思いました。喜んでくれるファンの人の顔を見るのが嬉しいっていうのもあるけれど、ストレートに「自分、嬉しいんじゃん」というか。それは、今回のシングルで気付いたところですね。ファンの方に入れていただいたこの場を全力で楽しんで、その姿をファンの方にも楽しんでもらいたいと思います。

――また、初選抜の青海ひなのさん、野村実代さん、林美澪さんについても聞かせてください。

熊崎:私は選抜メンバーを発表した生配信に出させてもらったんです。時間的に美澪ちゃんは出演できなかったんですけど、青海ちゃんとみよまる(野村)とは直接話すことができて。そこで、緊張で震えている2人を目の当たりにしました。普段の2人って、パフォーマンスにオーラがあるし、自信もすごく感じるんです。だから、「こんな姿はじめて見た!」とびっくりしました。

――普段堂々としている2人でも緊張するほど、選抜には特別な思いがあったんでしょうね。

熊崎:そこに、これまでの物語を感じて素敵だなと改めて感じました。それ以外のところでいうと……MV撮影の時ですかね。青海ちゃんもみよまるも、もともとダンスがうまいからキラキラしていて、「あ、うまいな」って純粋に思いました。

江籠:確かに。

熊崎:見せ方もすごく研究する子たちなので、「すごいな」と思って見ていました。それに、美澪ちゃんも美澪ちゃんで、MV撮影の時すごく堂々としているんです。

――12歳の研究生でありながら、初選抜初センターなんですよね。

熊崎:はい。私があの年齢でセンターに立ったら脚がガクガクするだろうし、下手したら逃げ出していると思うんですけど、美澪ちゃんはすごく堂々と立っていました。心のなかでは緊張していたかもしれないけど、それを表に出さないくらいには乗り越えているということ。立派なプロです。

須田:ポジション的には、私と熊ちゃん(熊崎)で美澪ちゃんを挟んでいるんですけど、もらえるパワーすごくない? 隣にいる後輩から、あんなにパワーを受けながら歌って踊るなんて。今までは「後輩を引っ張ってあげなきゃ」と思うことのほうが多かったんですけど。今回は後輩に引っ張られたし、「もっと頑張ろう」「付いていきたい」と思わされました。そのくらい、安心感がありましたね。

――それはすごい……!

須田:かと思えば、カメラが回っていないときには子供っぽい面も見せるんですよ。MV撮影の帰り道は、疲れて寝ちゃったりして。そういうのを見ると「守ってあげなきゃ」と思います。プロとしての顔と素顔のギャップがすごくて、キュンキュンしますね。

――その“プロ”の一面は、どこで身につけたんでしょうね。

須田:本当に。もともとダンスを習っていたみたいですけど、それにしても度胸がありますよね。自分を客観的に見る力もあるなと思います。ただ、完ぺきに見えちゃう所は今後自分を苦しめてしまうかもしれない。そこは、みんなで寄り添いながら乗り越えていきたいです。

「晴れの名古屋では絶対にやらないような遊びをした」(江籠)

荒井優希、江籠裕奈

――今回のシングルを初めて聴いたとき、どんな印象を受けましたか?

鎌田:爽やかで可愛くて、夏らしい曲ですよね。SKE48で夏曲といえば神曲ばかりなので、そこに並ぶいい曲をいただけたなと思ったのが第一印象です。嬉しいですね!

熊崎:〈目の前の君は一瞬だ〉とか、〈すぐにもう会えない思い出に変わってしまうよ〉といった歌詞は「今の輝きは今しか出せない」という意味に取れて切なく感じますけど、それって「だから今をもっと大切に生きていこう」という意味だと思うんです。「ファンのみなさんと今の思い出をたくさん作ろう」「メンバーそれぞれの一瞬一瞬の輝きを大切にしていこう」というメッセージを受け取って、個人的に響きました。

江籠:SKE48のことを直接的に書いた歌詞ではないけれど、重ねちゃいますよね。私は、サビの〈ルックスが似ているわけじゃなくて 切なさ〉という歌詞が大好きなんです。SKE48も長い歴史を経てメンバーが変わってきたけれど、みんなが持っている気持ちは変わっていない。この曲を聴いたら、SKE48から離れてしまった人も、あの時を思い出してくれそうだなと思います。

須田:それに、聴いてくださる方にとっては、自分自身の初恋や青春を重ねられる曲でもあるのかなと思います。色んな人の思い出が重なる場所になればいいなと。

――解釈は様々だけれど、すごく身近に感じられる歌詞ですね。そういう意味では歌いやすい曲でしたか?

須田:そうですね。思いが乗りやすい曲でした。自分を重ねてもいいし、私から後輩たちに思いを乗せて歌うことも出来ます。〈なぜか 頑張れって 声を掛けたくなった〉というところなんてまさにそう。アイドル活動をしている自分の、いろんな思いが乗る曲です。

――あとはダンスについても。『恋落ちフラグ』と同じくs**t kingzのshojiさんが振り付けをしています。

熊崎:shojiさんは本当にSKE48のことを深く熱く考えてくださっています。「SKE48は手がキレイに揃っているところが魅力的。だから、そこがもっと広まって欲しい」ということで、イントロでは手がキレイに見えるような振りを入れてくれました。それと、「思い出フィルターダンス」っていうのを作ってくださったんですよ。

須田:カメラのファインダーを覗くようなダンスですね。

熊崎:そこは見どころですね! 可愛い振り付けを考えてくださって嬉しいです。

江籠:「アップで映ったときに可愛いように」と、顔の近くに手が来るようなダンスにしてくれているんですよ。そういうところもすごく嬉しい。

熊崎:どこをとっても絵になりますね。

――前回も感じましたが、SKE48はshojiさんと相性がいいんでしょうね。

須田:SKE48はちょっと体育会系なので、言葉でわかりやすくモチベーションを上げてもらえると、持っている力以上のものが出せる子が多いんでしょうね。shojiさんの言葉でブワッと熱が上がるので、楽しいですよ。

――ところで、MV撮影はいかがでしたか? 沖縄でのロケだったそうですが。

SKE48 「あの頃の君を見つけた」Music Video/2021年9月1日(水)発売

鎌田:鎌田は2度目の沖縄だったんですけど、1度目は総選挙だったんですよ。屋外でやる予定だったけれど、ものすごく悪天候だったので無観客で行ったくらいずっと土砂降りだったから、あのときはずっとホテルにいることしかできなくて。今回沖縄の海と風を感じられて感動しました。「沖縄に来たー!」って(笑)。

――ある意味、今回が初沖縄ですね。

鎌田:そんなこともありつつ、「前のめり」(SKE48 18thシングル)のMV撮影で使わせてもらったビーチでも撮影したので、「これ、見たところだ!」と思ったりして。楽しかったです。

江籠:あと、ヤドカリがいっぱいいたんですよ!

荒井:そう、えごぴ(江籠)はすごいんですよ。この見た目で虫を触れるんです!

須田:虫じゃないよ、ヤドカリは(笑)。

荒井:あ、そっか(笑)。でも、私はヤドカリも怖くて触れないので。えごぴが普通に掴んでそのへんを歩いているのが面白かったです。「えっ!?」みたいな(笑)。

江籠:亜香里さんと2人でヤドカリを探していたら夢中になっちゃって、置いていかれそうになりましたよね。

須田:そうだった! みんなが移動しているのに気づかなくて、「あれ? いない!」ってなった(笑)。

鎌田:(古畑)奈和さんは、ナマコを持っていましたよ。手で。

荒井:なんでみんな持てるの……(笑)?

熊崎:菅原(茉椰)なんて、「キレイな貝殻がありましたよ!」って言って、私の手にヤドカリを乗せてきたんですよ? 最初は普通の貝殻だと思っていたんですけど、突然足が見えて「わー!!」って。そんなイタズラもされましたけど(笑)、楽しかったです。

須田:何でも楽しかったよね。大勢でお出かけできなくなってしまったから、余計にそう思うのかもしれません。みんなで雨宿りしている時間すらも楽しかった!

4人:うんうん!

江籠:ヒマを持て余しすぎて、優希ちゃんといろんな遊びをしたよね? 「肘から下のほくろの数、誰が一番多いか決めようよ」とか(笑)。

――それは……すごく不思議な遊びですね(笑)。

江籠:晴れの名古屋では絶対にやらないような遊びです。今思えばおかしいよね(笑)。

荒井:本当におかしいと思う(笑)。雨が降っている中、石を飛ばして遊んだりもしたし。「誰が一番遠くまで飛ばせるかな?」とか言って。どれも本当に名古屋ではやらない!

江籠:沖縄がそうさせたんだよ。

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