花ちゃんズ 富田鈴花&松田好花とプロデューサーが振り返る『MTV ACOUSTIC FLOWERS』 ユニットの可能性についても語る

花ちゃんズとMTV Pが振り返るライブ

もっとクリエイティブなことをしたい

ーーそういうアレンジ面含めて見せ方、聴かせ方に関して、MTVサイドから花ちゃんズへのアドバイスはどの程度ありましたか?

戸田:アレンジに関しては、基本的におふたりで進めていただいて。楽曲に関しては、どうセットリストを組もうかというところを最初に相談させていただき、例えば「洋楽のカバーは入れたい」ということで、セットリストに入れた「We are Never Ever Getting Back Together」(※テイラー・スウィフトのカバー)など、いくつか候補曲をご提案しました。

富田:この機会に、本当にたくさんの洋楽を聴きました。

戸田:当初と異なる点なんですけど、最初は普段の日向坂46のライブのような作り込んだステージではなく、もっとラフな感じで見せたかったんです。最初にやろうとしていた会場はかなり小さいところで、他にも会場の候補としてカフェみたいな場所で演奏するのもいいんじゃないかという話もありました。そういうフランクな形で見せたいという構想があったんですけど、延期になっておふたりがさらに練習している姿を見て、アイドルとしての“日向坂46”とは別の、ミュージシャンとしての2人の姿を伝えられるような演出をしたいなと思って、当初予定していたものとはかなり変わりましたね。例えば、ステージも最初はあんなに花を彩ったりするような舞台にするつもりはなかったですし(笑)。

松田:会場入りしたときに「えっ、私たち今からあそこで演奏するの?」って、すごく豪華でびっくりしましたから。

ーー今回は無観客収録という形になりましたが、収録ならではの良かった点はありますか?

松田:収録なので、いざ失敗しても撮り直しが出来るという安心感もちょっとだけあって、守りに入らず振り切れた演奏ができたのかなと思います。でも、やっぱりお客さんを前に直接生で披露したほうがもっと気持ちが込められたのかなとも思いますし、どちらの良さもあるなとやってみて感じました。

ーーお客さんの手拍子や歓声が入るだけで、伝える側の熱量も変わりますものね。

松田:そうなんです。普段の日向坂46でのライブもお客さんを煽って、だんだんテンションが上がっていく姿を目にすると私たちまでテンションが上がりますし、もっと盛り上げようという気持ちが強くなる相乗効果が生まれるので、やっぱり違う気がします。

富田:当初いるはずだったお客さんがいないという悲しさはありますが、きっとこの先有観客ライブをする機会があると信じているので、それまでは自分の肝を据わらせるための期間になればいいなと思います。でも、お客さんが入っていたらどうなっていたんだろう? 私、最初はここ2〜3年で一番の緊張でしたから(笑)。

松田:撮り直せる安心感とは別に、私も収録が終わるまでずっと緊張していて。昨年9月に予定していた収録を、私が病気になったことで延期させてしまったこともあったので、「ここは絶対に成功させなきゃ!」という責任感も強かったですし、いろんな方を待たせてしまっただけでなく、鈴花にも悔しい思いをさせてしまったので、無事収録が終わるまでは気が気じゃなかったです。

富田:でも、スタッフの皆さんが本当に温かい方ばかりで。初めて会う方がほとんどだったんですけど、すぐに温かい現場だなとわかって、そこは大きな安心要素でした。

松田:当日はボイトレの先生も来てくださって、収録を見守ってくださったんですが、ノリの良い曲だったら後ろでノリノリに踊ってくださって。そういうところでは緊張も少しほぐれました。

ーー昨年3月から考えると長い道のりでしたが、予想もしなかったハプニングの数々がドラマチックさを演出する結果となりましたね。

戸田:こんなに特別なストーリーが生まれるとは、正直想像していなかったですね。最初はお客さんを入れた通常のライブイベントを実施して、その模様を放送するという番組のイメージだったんですけど、コロナ禍になって無観客収録に変更した結果、1時間の番組の中でいかに2人の魅力を伝えられるか、楽曲の良さを伝えられるかにフォーカスすることが重要だと思って。実施に至るまでの背景もそうですし、視聴者の方々もそれぞれストーリーを感じていると思うので、どんな方が観てもちゃんとおふたりの良さが伝わる番組にはしたいと考えました。

ーー今回のセットリストの中で特に富田さん、松田さんの印象に残った曲を教えていただけますか?

富田:一番苦戦した曲が、私は「ドレミソラシド」でした。コードチェンジがめちゃくちゃ多いのと、バレーコードもたくさん出てくるし、かつ歌も難しいので、ギターを弾きながら歌う曲じゃないなと最初に思いました(笑)。でも、この曲はどうしても歌いたかったんです。日向坂46のライブでは「ドレミソラシド」を最初に歌うことが多いんですけど、この曲を歌うと感情が込み上げてくるので、絶対に歌いたくて頑張りました。

松田:必死になると口角が下がってきちゃうんですけど、「ドレミソラシド」はパっと明るくしなくちゃいけない曲なので、口角を上げてギターのコードチェンジも意識して、歌の音程も外さないようにと、本当に大変でした。

ーー日向坂46のシングル表題曲はギターで作った曲というよりはピアノなどで作曲した楽曲が多い印象があるので、ギターでのコード運びとは違った難しさがあると思うんです。

富田:本当にそのとおりです。どちらかというと、カップリングやアルバム曲のほうがギター向けの曲が多いんですけど、私たちにとっては表題曲も大切な曲なので、どうしても披露したくて。本当は「キュン」や「こんなに好きになっちゃっていいの?」もやる予定だったんですけど、セットリストを組んでいく中で外したので、またいつか披露できる機会があったらうれしいですね。

戸田:実は練習していたけどお披露目できていない曲がたくさんあるんですよ。

富田:それこそ(けやき坂46時代の)「線香花火が消えるまで」とか……。

松田:「Dash&Rush」もアレンジをガラッと変えて準備していたので、いつかやりたいですね。

ーーギターパートもユニゾンで弾いたり、コードストロークとアルペジオなど弾き分けも考えるわけですよね。

松田:そうです。鈴花は音を当てるというか、単音のメロディをすぐに弾けるんですよ。

富田:ピアノで培ったものといいますか。そういうことが好きなんです。

松田:尊敬します。あと、私は「アザトカワイイ」も同じぐらい大変でした。最初に譜面をいただいたときに、30分くらいひたすら特訓みたいな感じでずっと弾いていましたし。

富田:弾けるまで帰れません!みたいな感じで(笑)。そのほか印象に残っているのは、「We are Never Ever Getting Back Together」ですね。この曲を花ちゃんズでやってから、洋楽をすごく聴くようになりまして、最近はSpotifyでビルボードホット100みたいなプレイリストをずっと流しています。もともと英語は苦手だったんですけど、英語で歌うのが楽しいなと思える1曲になりました。

ーーきっかけの1曲なんですね。松田さんはこの曲が入ったアルバム(『Red』)が、初めて買ったCDだったそうですね。

松田:はい。なので、この曲をやらせていただけて本当に光栄でした。当時はギターもまだ始めていなかったですし、音楽についての知識もまったくなかったので、CDを買ったときの私に「あなたは将来、この曲をMTVで弾き語りするんだよ」と伝えたらびっくりすると思います(笑)。

ーーそして、最後に披露したのが「まさか 偶然…」。花ちゃんズにとって初のオリジナル曲で、いわばデビュー曲じゃないですか。そんな重要な曲をライブの最後に披露するというのも、また特別感が強まりましたよね。

松田:普段のライブでは立って歌っていたのを、今回は座ってギターを弾きながら披露させていただいて、また雰囲気がちょっと違う「まさか 偶然…」になりました。

富田:いつもは後ろでオケ(バックトラック)が流れているので、2人のギターだけで歌ったことがなくて。慣れている曲とはいえ、2人のギターと歌だけでやるというのは普通に緊張しました。でも、最初から見守ってくださっている方には、すごく成長した「まさか 偶然…」をお見せできたと思います。

ーー戸田さんの目から見た、特に印象に残る楽曲は?

戸田:「We are Never Ever Getting Back Together」と「若者のすべて」は最初のセットリストの段階から残っている曲で、成長の過程をずっと見ているので印象的ですね。あと、個人的には「JOYFUL LOVE」は入れてほしいとずっと言っていた気がします。

松田:そうでしたね(笑)。

戸田:メロディがすごく立っている曲ですし、2人の歌とギターで披露したら良いものになるんじゃないかなと思っていました。

富田:当初「JOYFUL LOVE」をレコーディングしたときは、こんなに大きな曲になるとは思っていなくて。「キツネ」(※2ndシングル『ドレミソラシド』カップリング曲)もそうなんですけど、ライブを通しておひさま(※日向坂46ファンの総称)の皆さんがここまで大きくしてくださったと強く感じる1曲です。今後、花ちゃんズが有観客ライブで「JOYFUL LOVE」を披露したら、一列ずつ色を変えてくださったりするのかなと思うと、ちょっとワクワクしますね。

松田:それを見たら、泣く自信しかないなあ(笑)。

ーー今後の楽しみが増えましたね。では、花ちゃんズとしての今後の目標は?

富田:2人だけの演奏もすごく素敵なものだと思うんですけど、バンドと一緒にやるライブも楽しそうだなと思うので、そういうこともいつかやってみたいです。

松田:私はギターだけじゃなくて、歌って踊る曲もやってみたいな(笑)。また違う一面をお見せできたら楽しそうだなと思います。

ーーMTVとしては今後、花ちゃんズとこういうものを作り上げたいというアイデアは?

戸田:やりたいことはたくさんあるんですけど、まずは番組タイトルに「Until Full Bloom」と入れたからには、いつかはお客さんを入れた形でライブをやりたいと思っています。あと個人的には、いつか2人で曲を作ってもらいたくて。

松田:それは本当に夢なんです!

富田:先日メッセージアプリで、「メンバーで作詞作曲したいな」と私が言ったんですけど、いつか実現したらいいなと思いますね。私はもっとクリエイティブなことをしたいなと思っていて、自分の頭の中にもいろいろやりたいこと、作りたいことがあるんですけど、なかなか実現させるのが難しくて。そういうクリエイティブな側面を花ちゃんズだけに限らず、日向坂46全体で見せていけたら面白いですよね。

富田鈴花
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■日向坂46(花ちゃんズ)/『まさか 偶然…』(from「MTV ACOUSTIC FLOWERS -Until Full Bloom “Bell & Like”-」)

【期間限定 10月6日まで!】日向坂46(花ちゃんズ)/『まさか 偶然…』(from「MTV ACOUSTIC FLOWERS -Until Full Bloom “Bell & Like”-」)

『MTV LIVE MATCH』
日程:2021年10月5日(火)、6日(水)開場17:30 / 開演18:30(予定)
会場:ぴあアリーナMM
出演:
10月5日(火)日向坂46/マカロニえんぴつ/緑黄色社会 他
10月6日(水)櫻坂46/SKY-HI/変態紳士クラブ/Little Glee Monster (あいうえお順)
詳細は「MTV LIVE MATCH」特設サイトへ
https://mtv-live-match.com/202110/

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