FLOW、様々な楽しみ方を提示した1年半ぶりの有観客ライブ ファンとの再会誓ったLINE CUBE SHIBUYAレポ

FLOW、1年半ぶり有観客ライブレポ

 今回のライブでのコラボは、太鼓だけではない。「United Sparrows」のイントロが流れると、ミュージックビデオに出演したダンサーが白い衣装を纏い登場。軽やかに、そして滑らかでキレのある動きで舞う姿に思わず目を奪われる。楽曲が伝えるメッセージがこうして他の表現方法によって具現化されるさまを見て、楽曲自体にも奥行きが付与されるような感覚に陥った。幻想的な雰囲気が会場を包み込んだのち、「もっとイェーイしますか!」と再びバンドとして会場を盛り上げていく。「AWAKE」では2Aパートでドラムの手数が増えベースも動き、音でオーディエンスを掻き立てた。〈ひとりじゃないと思えたんだ〉と歌う「虹の空」では、2人のボーカルとその下を支えるドラム、ベース、そしてボーカルと並走するギターでメンバー間のつながりが強固に見えるようだ。「風ノ唄」のギターソロでオーディエンスをさらなる盛り上がりの境地に導くと、人気曲「GO!!!」へ。オーディエンスもメンバーも飛び跳ね、熱気は最高潮に。落ちサビでは「久しぶりにやりますか!」と客席全体でビッグウェーブを作りあげた。

 「我慢の時期は続くかもしれないけど音楽はなくならないしライブはここにあるでしょ。『新しい』を作っていこうぜ!」というKEIGOの言葉から「新世界」を披露。長くキャリアを積み、様々な異世界やフィクションの世界を見てきたFLOWだからこそ提示できる“新世界”は明るく開けているもので、それはこの日の温かいライブの正体でもあっただろう。〈世界を変えに行こう〉の歌詞に賛同するように、オーディエンスが手を挙げた。

 声が出せない今だからこその工夫がなされ、様々な楽しみ方を提示した今回のライブだったが、その真骨頂はアンコールにあった。アンコールの拍手に応えて流れたのは「Tick Tack」のレクチャービデオ。リリースに合わせてTikTokで行われた『Tick Tack踊ってみた選手権』の題材となった同楽曲の振りをレクチャー。再び登場したメンバーはヘッドセットマイクをつけ、楽器を手に取ることなく5人でステージに並び、振りを交えて全員がラップ参加する「Tick Tack」を披露。オーディエンスもレクチャーされた振りで参加する。新しい、予想外の演出に楽曲が終わると拍手に混ざって微笑みの声が漏れた。

 MCでKEIGOは「同じ空間でみんなでやるライブが最高です!」と喜びに満ちた表情で伝える。「これからもかわらず音楽で繋がっていきましょう。孤独じゃないよ。これからもよろしくお願いします」と語ると、会場からは拍手があふれた。ライブのラストナンバーを飾ったのは「Garden」。手をあげ、振り、温かく平和な雰囲気に包み込まれる。最後にみなで掲げたピースサインは、再会を誓うサインでもあるように見えた。

FLOW公式サイト

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