flumpool 独立を機に振り返る ドラスティックなバンドの歩みとこれからの活動への期待

flumpool『ディスタンス』
flumpool『ディスタンス』

 flumpoolが7月1日に所属事務所のアミューズを独立。新会社を設立し、所属レーベルのA-Sketchとともに新たな体制で活動していくことを発表した。

 大手事務所によるマネジメントを経て、インディペンデントな活動を志向するようになったアーティストが、独立の道を選ぶケースは珍しくない。例えば、2011年にフリーランスになったスガ シカオ(2014年にメジャー復帰)や、現在活動休止中で、2022年より新体制で活動再開することを発表しているMrs. GREEN APPLEがそう。flumpoolのようにメンバー自ら会社を興したパターンだと、TOKIO(城島茂、国分太一、松岡昌宏)やいきものがかり、flumpoolと同じアミューズから4月に独立したONE OK ROCKらが思い当たる。

 これはアーティストに限った話ではないが、コロナ禍による情勢の変化がきっかけで、自分の人生を改めて見つめ直したという人もきっと少なくないだろう。その影響もあってか、この1年はミュージシャンのみならず、俳優・モデル・芸人など、エンタメ業界で活躍する人たちの独立のニュースを聞く機会が多かった。独立に至った理由はそれぞれ異なると思うが、flumpoolの場合は、2年ほど前から新体制について考えていたとのこと。また、決断の背景として、ストリーミング配信サービスやネットメディア、SNSの台頭、それに伴い、音楽を取り巻く環境が日々急速に変化していることを挙げている。

 ここで改めてflumpoolの歩みをおさらいしたい。flumpoolは、山村隆太(Vo)、阪井一生(Gt)、尼川元気(Ba)、小倉誠司(Dr)による4人組バンド。元々は山村、阪井、尼川の幼なじみ3人によるアコースティックユニットだったが、そこに小倉が合流。2007年1月に現在の形のバンドになった。大阪で活動していたflumpoolだが、やがて上京、2008年10月にA-Sketchからメジャーデビューすることになる。デビュー作にあたるデジタルシングル「花になれ」が、au「LISMO」のCMソングとしてオンエアされていたことを記憶している人もいることだろう。

 さらに翌月リリースした「Over the rain 〜ひかりの橋〜」はドラマ『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)主題歌に起用され、この2曲を収録した1stミニアルバム『Unreal』は、新人バンドとしては異例の売上を記録した(※1)。そして2009年10月、つまりデビューからわずか1年で、日本武道館ワンマンを2日間にわたって開催。同年末には、「星に願いを」で『第60回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場した。

flumpool 「星に願いを」MUSIC VIDEO

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる