草野マサムネ、川上洋平、ハマ・オカモト……バンドマンがパーソナリティ務めるラジオ番組ならではの面白さ

ラジオでは本音を明かしてくれることも少なくない

 少しくだけたトークを楽しみたいなら、『巨匠大陸』(FM NACK5)はいかがだろうか。“巨匠”こと寺中友将(KEYTALK)が、自分磨きというテーマに基づいて、ゲストを呼んだり語ったりする番組だ。そこに絡めた選曲も小粋で面白い。KEYTALKはライブのMCも含めて楽しいバンドではあるけれど、そのノリも(巨匠ひとりだけど)いつでもどこでもラジオで味わえるのだ。

 また、長くラジオのパーソナリティを務めているバンドといえば、BUMP OF CHICKEN。『PONTSUKA!!』(bayfm)がはじまったのは1999年。(もちろん当時から注目はされていたものの)ブレイク前から、しかも彼らの地元の千葉県にあるbayfmで、20年以上も続いているのだ。また、同じくbayfmの、新藤晴一(ポルノグラフィティ)の『カフェイン11』も2003年から続いている長寿番組。さらにbayfmには、細美武士(the HIATUS/MONOEYES/the LOW-ATUS/ELLEGARDEN)が2009年からパーソナリティを務める『Hedgehog Diaries』もある。彼らの番組を聴くと、ホームのひとつとして自らの番組を捉えているのかもしれないと思えるほど、時にはリラックスした、時には真摯な言葉を聞くことができる。そして彼らだけではなく、あまりテレビなどのメディアに登場しないバンドマンが、ラジオでは本音を明かしてくれることも少なくない。テレビでも、ネットでも、雑誌でもない、“声”“音”で届けるラジオというメディアは、やはりバンドマンにとって特別なものなのかもしれない。

-岡野昭仁@カフェイン11 初のリモート生演奏- /-Akihito Okano- Cafein 11 Remote Live Performance-

 他にも、はっとり(マカロニえんぴつ)がパーソナリティを務める『MUSIC FREAKS』(FM802)など、全国各地にアンテナを張れば、興味深い番組がたくさんある。家にいる時間や、ひとりでいる時間が増えたこと。さらに“声でつながれる”というスタイルから感じられる密な関係性。そして、人や知識や情報、音楽との“思わぬ出会い”があること。などなど、ラジオはコロナ禍の今に欠けたところを埋めてくれる存在だと思う。今はradikoもあり、タイムフリーで聴くこともできるので、ぜひともくまなくチェックしてみてほしい。

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