NEWS、『BURN』で27作連続シングルチャート首位に 多彩な音楽性で光るボーカルグループとしての“洗練された進化”

 そして、そのShintaro YasudaとヒロイズムによるNEWSの「FLY HIGH」でもトラップが響きます。トラックの音の間を重視した、リズム・オリエンテッドなサウンドで、静と動のコントラストも鮮やか。ボーカルも磨きあげられた美しさを感じさせ、非常に洗練された楽曲に仕上がっています。

 J-POPでは、情報量の多さが志向されがちですが、それに逆行する引き算の美学を感じさせるのが「FLY HIGH」です。しかも、2分強しかない簡潔さ。これは海外向けに配信した方が良いのでは……と言いたくなる作品です。

 「Champagne Gold (STUDIO LIVE RECORDING Ver.)」は、原曲が2020年の『ビューティフル/チンチャうまっか/カナリヤ』のカップリング曲です。篠原とまと作詞、伊藤賢と辻村有記が作編曲を担当しているのは「鳴神舞」と同じですが、こちらはサウンドも歌詞の世界もまるで異なります。ブラックミュージックを通過したグルーヴィなリズムセクションに、ファルセットを多用したNEWSのボーカルが乗り、さながらNEWS流のシティポップという趣きです。

 4曲とも見事なまでに音楽性が異なり、それによってボーカルグループとしてのNEWSの魅力を伝えることに成功しているシングルが『BURN』です。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter(@munekata)

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