稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾、“新しい地図とファッション”を紐解く 三者三様の楽しみ方に表れる生き様

香取慎吾:ハッピーで予想外な未来を願う、アートフルなファッション

 草なぎの「過去」、稲垣の「今」と来て、香取慎吾のファッションに感じるのは「未来」への願いだ。かつて『服バカ至福本』を発表した香取は、ファッションを好きになったきっかけに「10代の頃から女の子がいろいろ髪型を変えられたり結んだりできるのがうらやましいと思ってた。それと同じように服に対してもだんだんそういう思いになってきて」と綴っている。

 10代のころは古着屋ショップでスカートを購入してはいたり、大人になってからもショップに行くと必ずレディース売り場もチェックし、実際に気に入ったデザインがあればレディースアイテムも着こなしてきたという。ファッションがもっと自由に、ハッピーなものであってほしいという香取の願いを感じずにはいられない一節だ。

 かつて稲垣がMCを務めたブックバラエティ『ゴロウデラックス』(TBS系)に香取が出演した際には、ファッションを取り巻く環境が「この20年ぐらいで大きく変わって嬉しい」とも話していたのを思い出す。異素材の生地を縫い合わせたシャツに「無駄なことというか、そこが好きなんですよ」と語り、ハイブランドのローラースケートに「この遊び具合。僕は好きですね」と言葉を弾ませていた。

 遊び心と冒険心で未来を切り開く。そんな香取だからこそ、ブランド『JANTJE_ONTEMBAAR』で、自身のアート作品をかけ合わせた新しい服を発表できたのかもしれない。先日も『JANTJE_ONTEMBAAR』と『ANNA SUI』のコラボレーションが実現し、私たちを驚かせてくれた(※4)。

JANTJE_ONTEMBAAR 2021ss

 ブランドにとってもっとも慎重に扱われるロゴさえも再構築していく、気概に満ちたコレクション。全12点を展開したアイテムのなかでも、ひときわ目を引くアロハシャツは香取が描いた2021SSのテーマアート「New World」と『ANNA SUI』の象徴でもあるポピーを散りばめた、まさに新しい世界だ。

 
 
 
 
 
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 香取は、さらに未知のウイルスとの戦いが終焉した先に広がる世界に願いを込める。「誰かと会うときに何を着ていこうかと想像できるのが、ファッションの楽しさの原点じゃない? 久しぶりに人と会ったら、その気持ちが爆発するはずだからね!」(※5)

 3人×ファッションの関わりを見つめていくと、改めて愛しい時間を作りだし、自分らしさとは何かを問いかけ、そしてこれからの楽しみを見つけるきっかけにもなると気付かされる。お気に入りのアイテムを手入れしたり、「今着たい服は何か」を考えたり、それを着て会いたい人を思い浮かべたり……終わりがなかなか見えないこの窮屈な日々の中でつい忘れそうになってしまうが、今こそファッションを楽しむときではないだろうか。

※1:https://www.gqjapan.jp/fashion/news/20190421/loves-denim-tsuyoshi-kusanagi
※2:https://realsound.jp/2020/09/post-621922_2.html
※3:https://realsound.jp/2021/02/post-711279.html
※4:https://realsound.jp/2021/05/post-767864.html
※5:https://www.tjapan.jp/fashion/17448864/p3

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