AK-69、“レース”で勝ち続けてきた人生哲学 日本のヒップホップの未来に向けた思いも語る

AK-69、“レース”で勝ち続けてきた人生哲学

俺の姿を見て、夢を持つ子たちのことを気にしたい

ーー「PPAP」も印象的でした。〈この所作が 幾多のレース制しまくった戦利品だ〉というラインがAKさんらしいなと。

AK-69:「PPAP」はピコ太郎さんとは関係なくて(笑)、(世界最高峰の高級時計ブランド)パテックフィリップとオーデマピゲのことなんです。今日もパテックフィリップをしてるんですけど、これは俺じゃないと歌えないなと。今日つけてる時計も、3400万円とかしますからね。田舎に家を建てられるくらいの金額だし、いろんなラッパーに「PPAP」を聴いてもらって、「ううう……」ってなってほしい(笑)。まあ、これはファンが共感できる歌ではないですね。

ーーすごくヒップホップ的ですけどね、そのスタンスは。

AK-69:そうなんですよね。物質的なことだけど、この時計が買えるのは、これだけの年数を走ってきたからなので。日本は「いえいえ、そんな」という文化だけど、「あ、この時計? 3400万」というのがラッパーだと思ってるので。“ハシたなくてすいません”という感じですけど(笑)、別に無理してるわけじゃなくて、これが自分の素なんですよ。

ーー“ラップで稼いで、サクセスする”というのが基本的な姿勢なんですね。

AK-69:もちろん。そもそもヒップホップに惹かれたのは、そこなんで。海外のラッパーが金のネックレスをして、高級車に乗って、豪邸で歌って。そういうMVを見て、「やべえ、かっこいい!」って。最初は「成功して、俺もああなりたい」と思っていましたけど、今考えているのは、若い子たちに夢を持ってほしいということなんです。野球選手やサッカー選手は年棒や契約金が公開されて、「成功すると、こんなふうになるんだ」ってわかるじゃないですか。ラッパーやDJに関しては、見当がつかない人も多いんじゃないかなと。自分を通して、それをちょっとでも感じてもらいたいんですよね。

ーー日本でも、ラッパーとして成功できるし、メイクマネーできるよと。

AK-69:そうそう。以前は「そんなの見せる必要ないかな」と思ってたんだけど、あるとき先輩に「AKくんってリアルにアメリカのラッパーみたいな生活してるのに、なんでそれを見せないの?」って、ちょっと怒られ気味に言われて。「こんなエグイことになってるんだから、見せたほうがいい。めっちゃ刺激になるよ」って言われて、「確かにそうだな」と。自分の生活を見せることでイヤな気分になる人もいるだろうけど、それよりも、俺の姿を見て、夢を持つ子たちのことを気にしたいというか。俺は中卒だし、マジで何もなかったんですよ。音楽の才能が特別あるわけでもないんです。もちろんある程度の資質ーー親からもらった声とかーーはあると思うけど、全然突出してたわけではなくて。ただ、ヒップホップという音楽は自分の生き様をプラスすることで、ここまでデカくなれる。そのことは若い人たちに伝えたいですね。

「PPAP」

日本のヒップホップが劇的に変わるプロジェクトも進行中

ーー音楽シーンのなかでレースを続けて、勝ち続けることはめちゃくちゃ大変じゃないですか。AKさんはそのモチベーションをどうやって維持してるんですか?

AK-69:単純な話なんですけど、カッコつけたい、ダサくなりたくないというのがいちばんですね。「そんなことに執着してるの?」って思われるかもしれないけど、実際、そうなんですよ。15年前に売れて、その後、戦意が下がって、「もうやめようかな」と思ったこともあったけど、「このままやめたら、マジでカッコ悪いな」と思ったし、「なんとかしないといけない」という執念でここまで来て。現状維持しようと思ったら負けてしまうし、常に全速力で走らないとダメで。どうすればいいか考えている時間は俺がいちばん長いと思うし、行動力も誰よりも優っているからこそ、この結果があるーーシンプルな話ですよ。マジで大変ですけどね(笑)。休みたいとしょっちゅう思うし。

ーー(笑)でも、絶対に止まらない。

AK-69:そうですね。最後のステージでどう行動して、何を言うかも決めていて。そこに向かうまでは最高沸点を出し続けないと。

ーーそこまで決めているんですね……。

AK-69:はい。もう一つ考えているのは、シーン全体が大きくならないと、AK-69もこれ以上は拡大できないということで。今、準備しているプロジェクトが実現すれば、ヒップホップのゲームはさらにデカくなるはずだし、そのブループリントも見えてるんですよ。想像できれば実現できると思っているので、それはぜひ形にしたいですね。

ーーどういうプロジェクトなんですか、それは。

AK-69:まだ水面下で動いている段階なんですけど、頭角を現しているアーティストが集まる土俵を作ろうと思っていて。それは俺にしか出来ないんですよ。ラップのスキルだけじゃなくて、人脈だったり、いろんなものが必要なので。今の俺の力を駆使すれば絶対やれるし、実現したら、日本のヒップホップは劇的に変わりますよ。

『The Race』

■リリース情報
AK-69『The Race』(読み:ザ・レース)
2021年6月9日(水)発売
通常盤:2970円(税込)
初回盤(CD+DVD):4070円(税込)

<収録内容>
<CD>
『The Race』
M1 Checkered flag
M2 Pit Road feat. ANARCHY
M3 You can’t tell me nothing
M4 Racin’ feat. ちゃんみな
M5 It’s not a game
M6 Thirsty feat. RIEHATA
M7 PPAP
M8 I’m the shit feat. ¥ellow Bucks
M9 Next to you feat. Bleecker Chrome
M10 Victory Lap feat. SALU

<初回盤DVD収録内容>
I’m the shit feat. ¥ellow Bucks (Music Video)
LIVE : live (Music Video)
B-Boy Stance feat. IO (Music Video)  
もしよければ (Music Video) 
Ha? (Music Video)
Making Movie “「I’m the shit feat. ¥ellow Bucks」 Music Video”
Making Movie “Visual Shooting”

AK-69「I’m the shit feat. \ellow Bucks」Music Video:https://youtu.be/7wMWVtU8uoc
AK-69「I’m the shit feat. \ellow Bucks」:https://ak-69.lnk.to/imtheshitID
Official HP:https://ak-69.jp/ 
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Universal Music Official HP:http://www.universal-music.co.jp/ak-69/

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