櫻坂46、“競争ではなく協調”が生んだ変化 『BACKS LIVE!!』は転機となるか

 一人一人が役割を理解し、常にアップデートを繰り返す。この意識は近頃の櫻坂46に顕著だ。各音楽番組でのパフォーマンスを見ても、毎回一人一人が表情や振りをブラッシュアップさせ、楽曲を届けるということにグループ全体が試行錯誤している様子が伝わってくる。とりわけ櫻坂46のパフォーマンスは曲中の移動も多く、ポジションにそれほど格差がない。その代わり、歌詞を表現するのに適したメンバーが場面場面でポジション関係なく抜擢されたりする。クールな振りにはそのイメージに合ったメンバーが、力強いダンスにはそのイメージを引き立たせられるメンバーが活躍する。したがって、必要なのは競争意識よりも協調性だ。各々の個性が活きるよう、チームプレイが試される。

 また、今回のライブの開催が決まったことで、グループの空気にも変化が起きているようだ。キャプテンの菅井友香は「私や櫻エイト(※1列目と2列目)のメンバーはステージには立たないものの、振りの疑問点などを積極的にアドバイスしています。みんなで支え合おうという雰囲気が高まってきているので、いろいろなメンバーの輝く瞬間がたくさん見られるライブになると確信しています」とライブへの自信と期待を寄せている。(『日経エンタテインメント2021年7月号』「いつも凛々しく力強く」より)

 今回のライブを機に生まれた「みんなで支え合おうという雰囲気」。それはまさに新体制が目指すグループの在り方そのものだろう。このライブをグループ全体で乗り越え、メンバー全員が成長していってほしい。

<参照>
※1 https://sakurazaka46.com/s/s46/news/detail/E00014
※2 https://sakurazaka46.com/s/s46/page/backslive

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi/https://twitter.com/az_ogi)

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