UNISON SQUARE GARDEN、『Spring Spring Spring』ツアーを完全再現 リバイバル公演ならではの面白さ

ユニゾン、“リバイバル公演”レポ

 全9曲とドラムソロから構成されるメドレーが終わると、間髪入れずに「シャンデリア・ワルツ」へ。斎藤が歌う歌詞を引き立てるような演奏の「クローバー」、「シュプレヒコール~世界が終わる前に~」と続く。「cody beats」で〈その声がする方へ僕は歩き出す〉と歌い、「オリオンをなぞる」で〈新未来を願う 空前絶後の 言葉がもし、もし紡げるなら 一緒に飛ばそうよ〉と歌い、未来への希望を描き出す。本編は「場違いハミングバード」で熱狂のうちに幕を閉じた。

 幸福感に満ちた「アイラブニージュー」からはじまるアンコールまで再現された今回のライブ。この試みは、斎藤のMCによると、ライブは開催し続けたいが会場に来れない人も多い状況下で生まれた、「ちょうどいい面白い企画」だという。バンドの意志を貫きながらもファンへの配慮も忘れない、ユニゾンの姿勢が形となったものだったというわけだ。必要以上の言葉なしに、演奏で情動を伝えオーディエンスを巻き込んでいった約2時間。純粋に音楽を演奏する・聴くといった、音を通したコミュニケーションは、「kid,I like quartet」まで最高潮のまま駆け抜けた。

UNISON SQUARE GARDEN(写真=Viola Kam (V'z Twinkle))

 UNISON SQUARE GARDENは今回のツアーに続き、リバイバルツアー第2弾となる『Revival Tour "CIDER ROAD"』を8月に開催。また5月26日にはライブ映像作品『UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2021『Normal』at KT Zepp Yokohama 2021.03.02』をリリースする。

■村上麗奈
2000年生まれ。2019年、音楽系専門学校在学中に執筆活動を開始。卒業後、フリーランスとして活動を本格化する。
Twitter:@r_dorfer_

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